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 作詞を音楽プロデューサーの秋元康さん、作曲を和歌山市出身のヴァイオリニストで東京藝術大学学長の澤和樹さんが手がけた伏虎義務教育学校(和歌山市鷺ノ森南ノ丁)の校歌『伏した虎よ』が完成した。

 2000年度に和歌山市文化賞を受賞した澤さんに和歌山市が依頼した。澤さんが同大の客員教授を務める秋元さんに作詞を打診し、2016年10月に詞が完成した。秋元さんは未来のすばらしさを伝えることをテーマに、子どもたちを「若き虎」とし、和泉山脈や紀の川といった情景に重ねた。

 13日に和歌山市役所で開かれたお披露目会で、澤さんは「ヴァイオリニストのキャリアは60年ほどだが、作曲は初めて。校歌は少なくとも100年は歌われるもの。長く愛される曲になればうれしい」。秋元さんからは子どもたちに「君たちは伏した虎です。顔を上げ、立ち上がり、走り出すその日を、僕は楽しみにしています」とメッセージが寄せられた。

 同校は雄湊、本町、城北の3小学校と伏虎中学校が統合し、9年制の小中一貫校として4月1日に開校。初年度は約650人が通学する。尾花正啓市長は「4つの学校は1つに生まれ変わる。その第一歩となる校歌を作っていただき光栄。未来の子どもたちの夢につながる曲です」と感謝していた。

写真=CDを尾花市長(左)に手渡す澤さん

 

学舎にさよなら 閉校4校で集会

 伏虎義務教育学校への統合に伴い、閉校する和歌山市の4小中学校で閉校式や集会が順次行われる。いずれも学びの場だけでなく地域拠点としての役割も担ってきた。現役の児童・生徒はもちろん、地域住民、一般参加を募り、学校に別れを告げる。

 3小学校のルーツは明治初期にさかのぼるが、すべて第2次世界大戦時の空襲で焼失。戦後、現在の小学校に再編され、伏虎中は新制中学として新設された。各校はそれぞれ、思い出の映像や校歌で消えゆく学校をしのび、子どもたちによる歌や発表を予定する。日時は次の通り。

 雄湊小(東坂ノ上丁)=28日(火)午前10時▽本町小(住吉町)=3月1日(水)午前8時50分▽城北小(鷺ノ森南ノ丁)=14日(火)午後1時50分▽伏虎中(七番丁)=14日午前11時。なお、雄湊小で19日(日)午後3時から、「閉校さよなら会」として音楽や出店を楽しむ行事が行われる。

(ニュース和歌山より。2017年2月25日更新)