薬物依存症者の回復を支援する和歌山ダルクは、回復に向けた心理プロセスを示した12ステッププログラムを効果的に実行するための手法「リカバリーダイナミクス」を導入。今夏からデイケアを始めている。

 薬物依存症の母親とその子が入寮できる全国初の施設「ロイズホーム」を昨夏開設し、カウンセリングや家族会などを開く同会。常駐スタッフは島田ゆか代表理事のみだったが今回、リカバリーダイナミクスで薬物依存から脱した経験がある池谷太輔さんを迎えた。

 リカバリーダイナミクスは12ステップを理論的に解説し実践。虐待やいじめ、裏切りなどから、恐れ、恨み、罪悪感、後悔といった負の感情で心を閉ざし、薬物に頼るしかなかった過去を分析し、解決策を一緒に考える。信頼できる人と共に回復を目指す必要性も事例を交えながら説く。池谷さんは「原因を突き止め、行動に移すことで、感情的に薬物に走らなくなり、生き方も変わる」と話す。

 これまで4人が受け、「自分と向き合えるようになった」「今後を描けるようになった」と好評だ。島田代表理事は「ささいなことも相談するようになるなど当事者の変化が早く見られるようになりました」と効果を実感する。

 同会はロイズホーム移転資金や家電、生活用品などの寄付、余暇活動などを手伝うボランティアを募っている。同会(073・496・2680)。

(ニュース和歌山/2017年11月11日更新)