和歌山の豊かな食材をイタリア料理に──。桐蔭高校(和歌山市吹上)出身で料理研究家の貝谷郁子さんが12月1日、県産食材を使った「和イタリアン」の料理教室を同校で開いた。貝谷さんは「外国の人に地元の名産を紹介する時、おいしく食べてもらえる方法のヒントにしてほしい」と話している。

 イタリアを中心に世界の食文化を研究し、レシピ本など20冊以上の著書を持つ貝谷さん。今回は希望した1、2年生と保護者ら約40人に、県産の梅干し、みかん、しらすを使ったイタリアン3品を教えた。

 「梅のおいしさを外国人に伝えるには、おにぎりでは難しい。いつもの食べ方とは違う形で自分たちも楽しみましょう」と呼びかけ、まずはクリームチーズと豆腐を混ぜ合わせ、少量の刻んだ梅干しとオリーブオイルを加えるだけのディップを作った。

 この後、しらすに刻んだ青ネギとオリーブオイル、黒コショウをあえたマリネ、みかん果汁に米酢、オリーブオイル、塩を入れたドレッシングも指導。完成した3品にパンとクラッカー、ゆでた菜の花を合わせ、全員で味わった。

 2年の由井寛奈さんは「しらすは苦手だったのですが、オリーブオイルとネギが嫌な味を打ち消してくれました」、池本嶺さんは「留学先のアメリカでホストファミリーにお雑煮をふるまったくらい料理好きです。きょうのレシピは、いつか海外の友人に作ってあげたい」と喜んでいた。

写真=母校で高校生に教える貝谷さん(右から2番目)

(ニュース和歌山/2017年12月9日更新)