和歌山城を正面に望む元伏虎中学校の南側歩道に5月、製作者の自称「日本一長〜いベンチ」が設置された。紀州材をPRしようと、和歌山木材協同組合が県に寄贈。何百㍍もの長さを期待すると拍子抜けするものの、製作した白樫木材の白樫啓一社長は「長さ6㍍の角材を2ヵ所で支える木製ベンチは、日本一長いのでは」。2年前に開発し、「日本一長〜い」とアピールしてきたが、これまでクレームはなく、「話題づくりに良いでしょう」と笑みを見せている。

 ベンチは10・5㌢角の木材を2本の支柱で支えるだけ。11人が一度に座れ、これまで県庁や緑花センター、青洲の里などに設置してきた。

 県道で、バス停以外に固定式のベンチが置かれるのは珍しい。当初は、ダイワロイネット前のバス停付近を考えたが、歩道幅が2㍍と狭いため許可が下りず、城を見やすい元伏虎中南側にした。

 白樫社長は「あかね材と呼ばれる虫食いがある角材ですが、使用に問題なく、有効活用することで、紀州材の良さを広める。東京五輪で国立競技場の周りに置いてもらえるようにしたい」と考えている。

(ニュース和歌山/2017年6月10日更新)