深日〜洲本の定期航路復活を目指す岬町は6月25日(日)から9月下旬まで、両港を結ぶ旅客船を試験運行させる。深日港を核ににぎわいをつくる社会実験で、同町は「和歌山から淡路島への最短ルートになる」と話している。

 深日〜淡路・四国連絡船航路は1949年に開通し、60年代に深日〜洲本間、深日〜徳島間でフェリー運行が始まった。しかし、淡路島、四国へ橋が架かり始め、92年に深日〜洲本間、翌年に深日〜徳島間のフェリーが廃止。洲本港への高速艇も明石海峡大橋完成翌年の99年に廃止された。

 同町は2011年、町の総合計画に深日港を交流港として整備し、地域活性化につなげる構想を盛り込んだ。以来、調査や関係団体への要望、試験運行を重ね、今回の社会実験へ至った。

 同町には今春、道の駅「みさき」がオープン。サイクリングコースや海洋レジャーの整備を図る「みなとオアシスみさき」構想を進め、観光客は増加傾向にある。この中で、航路復活は、関西国際空港から大阪湾南回りの観光ルートをつくり、さらなる観光客と定住人口増加を促す町の中心施策を担う。田代堯(たかし)町長は「岬町にとって和歌山は生活圏内。ぜひ和歌山と広域的な取り組みを一緒にしたい」とし、「船には自転車を畳み込んで乗せることができる。堺以南、和歌山のサイクリストにはぜひここから淡路島一周、町内から和歌山へのルートを楽しんでほしい」と呼びかけている。

 49㌧の船は68人乗りで、フェリーではない。一日4往復で、片道55分。中学生以上1500円、小学生500円。無料駐車場あり。予約などは深日港観光案内所さんぽるた(072・447・6202)。

写真=洲本まで55分で到着し、畳んだ自転車も乗せることができる

(ニュース和歌山/2017年6月24日更新)