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 全国の子どもたちの夢を聞きながら、音楽を届ける活動を展開する和歌山市のヴァイオリニスト、北島佳奈さん(33)が初のCD『ソレイユ』を3月25日にNATから発売した。3年間で北海道から九州まで25ヵ所以上で披露してきた中から8曲を選んだ。「全国での活動は〝夢の交換会〟。幼いころからの私自身の夢について話しますし、舞台ではみんなの夢を画面に映しながら演奏します」と北島さん。希望あふれる子どもたちの夢に耳を傾けてつむいだ音色を収録している。

 4歳でヴァイオリンを始めた北島さんは雑賀小3年の時にニュース和歌山主催の和歌山音楽コンクールで1位に。小1~高3は和歌山ジュニアオーケストラに所属し、コンサートマスターとしてニューヨーク・カーネギーホールの舞台に立った。京都市立芸術大学、同大大学院で学び、ドイツ国立フライブルグ音楽大学にも留学。設立に関わった兵庫芸術文化センター管弦楽団で今も活躍する。

 2012年からは、文化や芸術活動による地域づくりを支援する財団法人「地域創造」の登録アーティストとしても活動。全国各地でリサイタルを行う。その前日と前々日には2ヵ所ずつ、小学校を中心に中学校や保育園、特別支援学校を回り、子どもたちとふれあう。演奏を披露するだけでなく、子どもたちに谷川俊太郎の詩「生きる」の一節を朗読してもらい、そのバックで4種類の曲を弾き、感じ方の違いを尋ねる。「詩に音楽が付くことで心への響き方が変わってくると子どもたちも感じます。私はこの音楽の力を信じて、演奏を通じて希望を持ってもらいたいんだと伝えています」

 また、〝夢アンケート〟と題し、将来の目標を必ず書いてもらう。「北海道では〝お父さんの後を継いで酪農家に〟、和歌山では〝ジャニーズ事務所に入りたい〟との子がいました」とにっこり。これまで約2000人の夢に触れてきた。最終日のリサイタルで、子どもたちの夢をスクリーンに映しながら、ドヴォルザークの『ユーモレスク』をしっとり奏でる。

 今回のCDにはこうした活動で演奏する曲の中からエルガー『朝の歌』、プロコフィエフ『ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第2番ニ長調』など8曲を選んだ。「私自身、思い続けたCD発売の夢が実現したように、『願い続けることで夢は叶う』と話しています。希望へのエネルギーをこれからも伝えていきたい」と目を輝かせている。

 2916円。通販サイトのアマゾンほかで販売。北島さん(officekanon37@gmail.com)、NAT(077・535・7384)。

写真=2015年度も全国6ヵ所を回る北島さん

(ニュース和歌山2015年3月28日号掲載)