県内の子どもの学力向上を目指し、県は県学力向上対策中期計画をまとめた。昨年の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の全項目で県平均が全国を下回ったことを受け作成した。

 全国の公立学校の小6と中3を対象に、国語と算数・数学で実施する学力テスト。2014年度は、和歌山は小学校国語Aの最下位をはじめ、中学数学Aの37位を除く全項目で40位以下に。県教委は昨年9月に県学力向上対策本部を設置し、話し合ってきた。

 今回の計画は、昨年11月に策定した「県学力向上対策短期計画」を土台に作成。15年度、16年度の2年間に取り組むべき具体的な対策を明らかにし、17年度の学力テストで県平均が全国平均を上回ることを目標とした。

 基礎学力の定着や学力テストの結果活用、組織の整備など6つの柱を設定。「学校の構えを整える」では、県作成の中期計画をふまえて市町村教委が独自の学力向上プランを作り、各学校が数値目標や具体策を盛り込んだ計画を毎年作成し実施する。「力のある授業を創る」は、退職教員が授業改善への指導や助言を行い、中堅教員を先進県へ派遣し、授業力向上に努める。このほか、家庭での学習充実や思考力を高める教材の活用なども盛り込んだ。

 県教委は「実効性のある取り組みを積極的に進め、子どもたちにこれからの時代をたくましく生き抜く力の源となる確かな学力を定着させたい」としている。

(ニュース和歌山2015年2月21日号掲載)