刑務所や少年院を出所・出院した人の社会復帰を支援する企業グループ「職親プロジェクト和歌山」が7月15日に立ち上がった。全国4番目で、発起人を務める和食レストラン、信濃路の西平都紀子社長は「好き好んで犯罪を犯す人はいない。様々な環境の中でたくさんの苦難を抱えている人が多く、そういった人たちの再犯を一つでも多く減らしたい」と意気込みを見せている。

 全国の犯罪件数は減少傾向にあるものの、再犯者の割合は増え続け、検挙者に占める再犯者の割合は1996年の27・7%から2014年は47・1%に増加。出所後の就職が重要で、再犯率は仕事を持つ人の7・5%に対し、無職者は29・8%と4倍にのぼる。

 プロジェクトは信濃路など関西7社が2013年に日本財団と連携して立ち上げた。刑務所や少年院で求職者を募り、採用面接を実施。出所後に働く場と社会の基本ルールやマナーなどを学ぶ機会を提供する。現在は全国56社が加盟し、大阪、福岡、東京で地区グループが立ち上がっている。

 和歌山では建設業、学習塾、ビルメンテナンスなど12社が参加。障害者雇用に熱心なスーパーサンワの和田訓昌取締役は「障害者も出所者も周りが『できない』と決めつけてはならない点で同じ。信用が得られず、世間の目を気にして生きていく人たちを放っておけず、親が子を信じるような愛情を持って接することが更生につながると信じている」と語っていた。

(ニュース和歌山7月27日号掲載)