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私の家から窓を開ければ東側に龍門山がそびえています。龍門山は別名「紀州富士」とも呼ばれ、紀の川平野の名勝となっています。特に岩出橋から眺める景観は富士山そっくりなことからそう呼ばれています。龍門山には私の幼少のころの数多い思い出が残っています。小学校の夏休みの宿題である図工の題材として描いたり、中学校の遠足で登ったり、家族でハイキングに出かけたこともあります。 特に小学生の時には、今は亡き父や兄、友人とも何度も登ったことがあり、途中、天然記念物となっている「キイシモツケ」の群生地や、「明神岩」という巨大な岩石、さらに珍しい磁石岩、風穴、石仏などがあります。登山の記念に石を拾ってきて集めたことも思い出されます。また、くたくたになって頂上に立った時の爽快な気分、見晴らしの美しさなど、嫌な気分がどこかへ吹き飛んでしまいます。 私が高校に入学した1969年に兄が病気に倒れ、寝たきりの重病となり、続いて5年後には父が不慮の事故で亡くなりました。その後、兄の看病や家の仕事など、日常の生活で苦しいことがあれば過去の楽しかったころを振り返らず、母と2人で励まし合って欲を出さず謙虚な気持ちで頑張って参りました。今では母も兄の看病疲れで身体を壊してしまい、介護施設へ入所しています。その兄も36年間の寝たきり闘病生活の末、2年前に亡くなりました。 このような事があってから、私は日々の生活に疲れ、辛い事や悲しい事、現実から逃げたくてたまらなくなった時に、このふる里のシンボルとも言える龍門山によく登ります。 頂上に立ってみると、そこには私が幼いころの父がいて、兄がいます。また、よく遊んだ友人がいて、みんなが私に「元気出せ」と話しかけてきます。 このような懐かしい思い出がよみがえるこの山を「心のふる里」として大切にしたいと思っています。(岩出市 林正孝) 写真=家の東側にそびえる龍門山 |
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