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わが家の猫、チーコは高野山麓、かつらぎ町新城で、私の母が飼っていました。田舎では一人暮らしのお年寄りが猫を飼うことが多いのです。犬と違い散歩がいりませんし、ネズミ避けになります。なにより寂しさを紛らわせてくれます。チーコは母といつも一緒でした。畑に行くのも寝るのもです。見かけはタヌキみたいな猫ですが、母は長い一人暮らしの中で、随分と癒されたようです。チーコも母の足音が聞こえただけで鳴き声をあげていました。 しかし、母は昨年(2006年)3月末に急病で亡くなりました。困ったのはチーコです。近所の人、親戚に頼んでも残念ながら誰も引き取ってくれません。私は以前、飼っていた猫を事故で亡くしてから、猫は飼わないようにしていましたが、母が可愛がった猫です。車で連れてきました。以前、タヌキに襲われ大けがし、和歌山市の病院へ車で連れてきた時は嫌がり暴れたのに全く抵抗せず、おとなしく車に乗っていました。母が亡くなり住む所が変わるのが分かったのでしょう。家へ着き、「ここで寝な」と言うと「ニャー」と答えました。 しかし、飼い始めると、チーコは実にふてぶてしいのです。だいたい猫は決まった場所で眠るものですが、チーコは毎日、好きな場所で寝ています。自分が用の時はうるさくせがむのに、こちらが名前を呼んでも、しっぽを2回ふるだけで、返事をしません。タヌキに襲われたのが食事中だったせいで何かを食べる時は後ろに誰かを必ず立たせます。猫はわがままと言いますが、本当にわがままです。 ただ驚いたのは全く人見知りしないのです。近くに田原学園の校舎があり、チーコはよく子どもたちを寝ころんだまま迎えています。時には腹を皆に向け、平気で触らせます。しかも誰に触られても動じません。不登校だった生徒も猫と楽しそうに遊んでいます。近所の子どもが近づいても逃げません。お陰で人気者です。亡くなった母も安心しているでしょう。 和歌山電鉄の貴志川線は猫駅長が話題になりましたが、チーコは何でしょう。みんなを癒してくれているのは確かですね。 (和歌山市 田原久一) |
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