おはなし一輪
人と人とが出会う場
       
 大学に入学するまでは、障害児者と関わったこともなければ、自分がこれから積極的に関わっていくということすら考えてもいませんでした。ですが、知的障害児を対象とした子ども会を企画・運営するクラブに入部し、その子ども会という場
でKさんに出会うことで私の人生は変わりました。
 Kさんは自身が障害児の母親であることから、障害児者が地域で生活していくことの難しさを感じておられ、またその必要性も痛感しておられました。運動教室など自身で地域活動を展開されており、ぜひ私も一緒にしたいと思いました。そして今は障害児者の地域での自立生活を支援するNPO法人クロネットを一緒に運営しています(地域で民家「ひまわりの家」をお借りして、買い物や食事などの生活力を身に付けるための宿泊学習の場を月に1回提供)。
 そんなひまわりの家では毎月さまざまなドラマが展開されます。Mさん(じっと固まって、普段から活動に参加しにくい)とHさん(何事にも意欲的でひまわりの家ではお父さん的存在)は普段はあまり関わることがありません。ですが、食事中なかなか食べないMさん(一時間以上は食べずにじっと固まっていました)を見かねたHさんがMさんのお箸をパッと取り上げておかずをつかみ、なんとMさんの口へ運んだのです! するとそれまで食べなかったMさんがパクパクご飯を食べ始めました。その表情はとても嬉しそう。Hさんの働きかけがあったから、Mさんはご飯を食べることができたのです。
 人と人とが関わり合う、一緒に生活できる、育ち合える そんな 場 がすばらしいと感じました。
 誰かと一緒に何かしたい、楽しみたいと思う気持ちは障害者も健常者も同じであり、そして今求められているのはそれが実現できる 場 であると思います。私の大学生活はさまざまな 場 によってとても豊かなものになりました。『人と人とが出会う 場 づくり』をこれからも大切にしていきたいと考えています。(和歌山市 大崎 紗綾香)

写真=メンバーでマリーナシティを訪れた

名前の漢字につきまして、パソコンで出力できるものを使用しましたことご了承下さい