おはなし一輪
大好きな和歌
山に賑わいを
       
 高校生のころ、通学途中にぶらくり丁の前を自転車で通りながら、幼いころ家族と手をつないで歩いたのを思い出していました。同時にシャッターが下りていく光景を、なんとも言えない寂しい気持ちで見ていました。
 出かければ知り合いに会うのが嫌だという人もいます。でも私は、どこでも誰かとふれあえる和歌山が大好きです。だからまちから活気が消え、人が離れていくのが辛かったのです。
 そんなある日、父が冗談ぽく「和歌山大学に合格したら車買ってあげるよ」と言いました。卒業後も和歌山にいたかったので、この時は漠然と「和大合格」という目標を持ちました。それを決定づけたのが、2年前のニュース和歌山の「和大生が地域の活性化を図るためオープンカフェを実施」という記事でした。「和大にいくと和歌山を元気にする活動ができる」と、改めて受験を決意。家族や友人には「和大に合格して、まちづくりで和歌山を活性化していく!」と宣言していました。
 そして合格。今私は和大の2回生です。でも入学したころは、活動への参加の仕方がわからないまま半年以上が過ぎました。「もう活動してないのかな」と思っていた1回生の秋、再びニュース和歌山で2年目を迎えたオープンカフェの記事を見つけました。今度こそと行動をおこし、この4月からオープンカフェの統括責任者である足立基浩先生の授業を選択したのを機に、活動に加わりました。いろんな方から、学生も大人も関係なく、和歌山を思う熱さは同じだと教えてもらっています。
 今年(2007年)は来年1月までの金土日にぶらくり丁で、空き店舗を使ったカフェを開いています。今はまだオープニングを迎えたばかりでばたばたしていますが、落ち着いたらもうひとつの大切な思い出の場所、七曲市場で出張カフェができればと思っています。ここには親戚がたくさんいて、商店街のみんなにかわいがってもらいました。父と母が出会った場所でもあります。地域に賑わいを取り戻すお手伝い——。大事な人たちに私なりのお返しが出来ればうれしいです。(和歌山市 小泉萌)

写真=ぶらくり丁のカフェで