おしえて! マイドクター 
2009年4月11日号より
質問内容
回答者
 指で押し戻す「いぼ痔」が痛くなりました。なぜですか?
楽クリニック・藤田 定則院長
 最近の整形外科の手術は進歩していますか? 貴志川紀和病院 殿尾 守弘院長
 「春の頭痛」に困っています・・・ 今村病院 今村 和弘院長
 「スポーツマウスガード」ってどんなものですか? しが歯科医院・志賀 弘明院長
 手術で近視が治ると聞きました。どんな手術になりますか? 吉村眼科吉村 利規院長
 足のしびれがあります。どんな病気が考えられますか。
古梅記念病院金子 徳寿先生
 インプラント治療に必要な骨量が足りないと言われました… 上西歯科医院上西 研二院長
       
        
Q 指で押し戻す「いぼ痔」が痛くなりました。なぜですか?
回答者
肛門科
楽クリニック
藤田 定則院長

A “いつの間にか、トイレの後で「いぼ痔」を指で押し戻すのが習慣になってしまっている”という方は、案外たくさんいらっしゃいます。痛みがないので、つい放っておき、気がついたときには「いぼ痔」が大きくなってしまっているケースも多いようです。
 主な症状と原因を紹介します。
【排便ごとにいぼが出てきて、激痛が走る方】…いぼのつけ根の部分が切れて「切れ痔」ができるために痛みます。早急に医療機関で注入軟膏、下剤、鎮痛薬などの投薬を受けましょう。再発しないよう、手術を受けることが望ましいです。とくに女性の方は、妊娠中にいぼ痔が悪化することがあるので、早めの治療が必要です。
 【急に大きく腫れあがってしまい、戻らなくなり、激しい痛みが起こる方】…いぼの中に血の塊ができたことと、血の巡りの悪化によっていぼが腫れ、肛門の外に出て戻らなくなったことが原因です。このような場合、そのままにしておくと、痛くてつらい時間を過ごすことになります。すぐに専門医の診察と治療が必要です。
 痔は痛くなる前に、最初の一歩として、肛門の専門医への相談が大切です。

      
Q 最近の整形外科の手術は進歩していますか?
回答者
整形外科
貴志川貴和病院
殿尾 守弘院長
A 整形外科の分野においても、近年は、体に負担の少ない手術が行われるようになりました。
 例えば、スポーツ障害による「アキレス腱断裂」には、超音波エコーを使ってアキレス腱を縫合する術式が採用されています。この方法だと術後の回復が早く、傷口もほとんど分かりません。
 また、股関節の軟骨がすり減って、痛み、歩きにくくなる「変形性股関節症」に対する手術もかなり進歩しています。以前のように筋肉を切って手術するのではなく、最先端の手術道具を使って、筋肉と筋肉の間より傷んだ股関節を人工の股関節に置き換える「低侵襲人工股関節置換術」が導入されています。
 さらに、背骨や関節内の悪いところを手術する際も、内視鏡を使って映像を見ながら行う方法が普及してきました。
 整形外科の手術というと長期入院が当然のように語られてきましたが、最近の整形外科の手術療法は着実に進歩しています。患者様の持つ治癒能力を最大限に生かすことを目的とした、身体的に負担の少ない手術を受ければ、術後早い段階でのリハビリテーションが可能となり、社会復帰が望めます。
 
           
Q 「春の頭痛」に困っています・・・

 20歳代の女性です。もともと頭痛もちですが、とくに「春の頭痛」に困っています。中学生の頃ぐらいから頭痛の症状が出始めました。いつもは、月に1〜2回ずきずきする程度なんですが、春になると回数が増えます。頭痛が起こると仕事や家事が手に付かず、仕方なく、市販の薬を飲んで寝ています。なんとかならないでしょうか?

回答者
脳神経外科
今村病院
今村 和弘院長
A 日本は頭痛大国です。現在、約3000万人が慢性頭痛に悩んでいると言われ、大部分が片頭痛や筋緊張性頭痛の患者様だと考えられています。
 頭痛は一般的に女性に多く、往々にして「お母さんや兄弟姉妹も頭痛もち」といった家族歴が見られます。頭痛ごときと認めてもらえず、市販薬を飲んでなんとか場をやり過ごしたり、ふさぎこんでしまったりという方が大半のようです。
 ご質問の女性は、片頭痛の可能性が考えられます。片頭痛は、俗に「季節の変わり目」といわれる春や秋に、頻度・程度ともに悪くなると言われています。原因には諸説ありますが、明らかにはされていません。しかし、片頭痛を起こす因子として、ストレスや睡眠不足・睡眠過多、疲労、眼の疲れなどがあげられます。
 春は新しい生活がスタートする時期でもあります。就職、入学、新しい学年、新しい職場、引越などでストレスはたまっていませんか? 片頭痛は、ストレスがたまりつつあるときはあまり出ませんが、休日や気分転換の行動をとったときなど、ストレスから解放された際に出現しやすい特徴があります。また、アルコールなども片頭痛を悪化させると言われています。歓迎会などでは、なかなかお酒を断りにくいため、頭痛がひどくなったりもします。 
 ただ、現在は治療法が充実しており、片頭痛の専門薬や発作を予防する薬、漢方薬など、自分にあった治療法を選択することができます。
 片頭痛自体は怖い病気ではないのですが、逆に言えば、頭痛もちの方がみんな片頭痛であるわけではなく、油断は禁物です。筋緊張性頭痛やうつ状態で頭痛が出るケース、花粉症などから頭痛になるケースもあります。また、まれではありますが、怖い病気が隠れていることもあります。まずは正確な診断が必要ですので、ぜひ気軽に頭痛外来や脳神経外科を受診してみてください。
 一方、子どもによく見られる「周期性嘔吐症」も、頭痛を伴わない腹部症状のみの片頭痛に分類されています。これまで発作のたびに、吐き気止めや点滴などの対症療法しか打つ手がないと思われていましたが、最近では片頭痛治療薬の有効性が注目を浴びています。
 この記事を読まれる方には、お子さまの周期性嘔吐症で悩んでいる方もいらっしゃると思います。遠慮せず、脳神経外科や頭痛外来の専門医に状態をお知らせ下さい。
     
Q 「スポーツマウスガード」ってどんなものですか?
回答者
歯科
しが歯科医院
志賀 弘明院長
A スポーツにケガはつきものですが、とくに外傷を受けやすい領域は口の周りです。
 中学・高校の運動部員を対象に行った調査では、顎・顔面・頭頂部にケガをした経験のある生徒は、40%以上でした。さらに、ケガの種類を質問すると「口の中を切った」「歯が欠けた」など、顔面領域の外傷が最も多く、75%を占めています。この結果から、スポーツの際の外力は、口のあたりに集中していることが分かります。
 歯や顎のケガが多いのは、ラグビー、柔道、野球、バスケット、サッカーなどです。動きが速かったり、接触が多いと、どうしてもケガの発生率が高くなります。
 これらのスポーツをする場合、マウスガードの装着をおすすめします。これは、口の中の保護装置で、外力から歯や口腔、顎部、口唇周辺への衝撃をやわらげ、口のケガを防止するものです。また、脳震盪(のうしんとう)の予防にも効果があるほか、安心感の増大というメンタル面への作用が競技力の向上に結びつきます。さらに、マウスガードは歯ぎしりやいびき、歯並びの治療、お口の健康管理等にも役立ちます。
 詳しくお知りになりたい方は、お近くの歯科医院にお問い合せ下さい。
        
Q 手術で近視が治ると聞きました。どんな手術になりますか?
回答者
眼科
吉村眼科
吉村 利規院長
A 近視の治療は、通常、メガネやコンタクトレンズを使った屈折異常の矯正です。
 しかし最近では、「レーシック」に代表される、視力矯正手術が一般にも知られるようになりました。これは、眼の角膜の屈折率を矯正する(角膜の形状を変える)手術で、近年の機器の進歩を受け、比較的、計算通りの屈折状態を得られるようになりました。
 しかし、この治療は、健康保険の適応ではなく、術前の検査、手術、術後の経過観察まで、すべてが自由診療となるため、高額の医療費が必要です。また、クリニックによって料金が大きく異なるのも事実です。
 日本では「20歳以上で近視の進行が止まった中等度までの人」が手術適応とされています。しかし、眼の病気や糖尿病・膠原病などの全身性の慢性疾患の方は手術を受けることはできません。よって、手術が可能かどうかを的確に診断できる、眼科専門施設での治療をおすすめします。
 手術による視力矯正は、外科的な治療ですから、一度執刀を受けると元には戻りません。術後に起こる不都合の説明をきちんと受けて、理解・納得してから手術に臨むようにして下さい。
     
Q 足のしびれがあります。どんな病気が考えられますか。
金子 徳寿先生
回答者
整形外科
古梅記念病院部長
金子 徳寿先生
A 足にしびれがある場合、主な原因として「足の血流障害」「脊椎の神経の圧迫」が考えられます。今回は、後者の、脊椎が原因で足にしびれが生じているケースについてお話しします。
 「脊椎の神経の圧迫」による、足にしびれが出る代表的な疾患には「腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニア」や「腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)」があります。
 病状が初期であれば、歩行が可能であり、治療も、内服薬やコルセット、ブロック療法(痛み止めの注射)などで症状を軽減させることが可能です。しかし、病状が進むと痛みが強くなったり、足の力が落ちて歩きにくくなり、日常生活に支障を来します。こうなってくると、早期に手術を受けることが重要となってきます。「手術」と聞くと不安を抱かれる方もいらっしゃいますが、どんな小さな事でも医師や看護師に相談し、前向きに検討することが大切です。
 「いまはまだ我慢できる」と言って、時機を逸すると、手術をしても以前の状態に戻らない場合があります。足のしびれがある場合は、早めに脊椎専門医の診察を受けることをおすすめします。
     
Q インプラント治療に必要な骨量が足りないと言われました…
回答者
一般歯科
口腔外科
上西歯科医院
上西 研二先生
A インプラント治療とは、歯を失った部位の顎骨に人工歯根を埋め込み、第二の永久歯として使用する再生療法です。従って、インプラントを埋入する部位には、十分な骨量が必要となります。
 骨量が不足している場合は、骨増生手術を行います。骨量の豊富な下顎骨の一部を不足している部位に移植するのが一般的です。このほか、骨増生を刺激する成分が凝集された自己血由来のPRP(多血小板血漿)を併用したGBR(骨再生誘導)法や、特に骨量の不足しがちな上顎臼歯部には、上顎洞内に骨移植を行うサイナスリフト法やソケットリフト法があります。このように、従来は難しいと言われてきた部位へのインプラント治療が可能になってきました。
 しかし近年、従来のような骨移植・骨増生を可能な限り回避し、現状の骨状態にインプラント治療を行う「患者主導」の考え方が主流となりつつあります。これは、手術回数や医療費・治療期間など、患者様の多岐にわたる負担の軽減を目的としています。
 インプラント治療に必要な骨量不足を解決する方法として、どのアプローチを選択するかは、経験豊富な専門医にご相談下さい。
     
問い合わせ電話番号
楽健康友の会 073-433-5000
貴志川紀和病院 0736-64-0061
今村病院 073-425-3271
しが歯科医院 072-492-6480
吉村眼科 073-432-0314
古梅記念病院 073-431-0351
上西歯科医院 073-422-6466
            
※ニュース和歌山本紙での、次回掲載は2009年5月2日土曜日の予定です。お楽しみに!