おしえて! マイドクター 
2009年6月13日号より
質問内容
回答者
 トイレのたびに紙に血がつきます。切れ痔でしょうか? 楽クリニック・藤田 定則院長
 感染性胃腸炎ってどんな病気ですか。食あたりと違うの? 淀澤医院 淀澤 進院長
 最近、便通異常で、大腸がんが心配です。検査はどんな内容ですか。 福外科病院 福 昭人副院長
 「麻酔科」とは、どんなことをしている科目ですか? 貴志川紀和病院 麻酔専門医・尾松 徳則先生
 耳鳴がして不安です。睡眠不足やストレスを感じます。 おく耳鼻咽喉科奥 雅哉院長
 皆既日食を観察しようと思います。気をつけることは何ですか。 吉村眼科吉村 利規院長
 成人の80%は歯周病だと聞いたのですが、本当ですか? ふぁみりー歯科クリニック 歯科衛生士矢田 早希子さん
 糖尿病の人が感染症にかかりやすく重篤化しやすいのはなぜ? たまい内科 糖尿病専門医・玉井 昌紀院長
       
        
Q トイレのたびに紙に血がつきます。切れ痔でしょうか?
回答者
肛門外科
楽クリニック
藤田 定則院長

A 切れ痔は、肛門の出口のきわの皮膚が切れて、出血したり痛む病気です。もともと肛門の皮膚が弱く切れやすい方もいますが、便秘で硬くなった便を出す時に切れたりもします。ただし、出血の中には、直腸がんがひそんでいることもあるので注意が必要です。
 ほとんどの切れ痔は、放置していれば自然に治ります。しかし、症状が1カ月以上続いたり、痛むようになると回復しにくくなります。排便時に痛みがあると肛門の筋肉が縮み、さらには硬くなり、肛門が小さくなってきます。痛みの強さがすすんでくると、排便すること自体が怖くなりがちです。長年切れ痔を我慢していて、肛門が鉛筆くらいのサイズになった方もいるほどです。
 切れ痔をずっと我慢し、「慢性裂肛」という状態になると、切れ痔の部分の内側と外側にいぼ痔ができます。内側のいぼ痔は、大きくなってくるとトイレのたびに飛び出すため、肛門に指で戻さなければなりません。当然、痛みを伴います。
 「たかが切れ痔」と放っておかないで、早めに肛門の専門の先生に診てもらうことをお勧めします。生活習慣の改善も一緒に考えましょう。

      
Q 感染性胃腸炎ってどんな病気ですか。食あたりと違うの?
回答者
内 科
淀澤医院
淀澤 進院長
A 感染性胃腸炎とは、細菌やウイルスなどによって引き起こされる疾患で、一年中発症します。症状は、発熱や下痢、腹痛、嘔吐など。食あたりと間違えやすいため、市販の薬を飲んですませていると、病状を悪化させることがあります。また、乳幼児が感染すると脱水症状を起こし、重症になりやすいので注意が必要です。激しい腹痛や血便が見られたら、すぐに医療機関を受診しましょう。
 病原体は、食べ物や飲み物を介した経口感染で体内に入ります。患者の便や吐しゃ物などに触れた場合も、感染の可能性があります。ペットと同じ箸でものを食べたり、口移しをするのもよくありません。
 予防法としては、日ごろから手洗いやうがいを励行します。さらに、感染した人の嘔吐物の処理等は決められた手順で適切に行うよう心がけます。治療は、下痢や嘔吐で失われた水分を点滴などで補給したり、抗生物質を投与します。症状が軽減してもウイルスが残っていますので、楽観は禁物です。
 一方、これからの季節で注意したいのは、寄生虫による食中毒です。生野菜はよく洗い、魚(とくに淡水産魚類)や、牛肉・豚肉などはよく火を通して食べるようにしましょう。
 
           
Q 最近、便通異常で、大腸がんが心配です。検査はどんな内容ですか。
回答者
消化器外科・肛門外科

福外科病院
大腸肛門外科専門医
福 昭人副院長

A 大腸がんは近年、日本で増加傾向にある病気です。主な症状は、下痢と便秘を繰り返す便通異常、血便、腹痛などです。
 大腸がんの1次検診には、免疫法便潜血検査があります。2日法といって、大便を別々の日に計2回採取して、肉眼で視認できる血便ではなく、目で見えない微量の血液が便に混じっていないか調べる簡易な検査です。早期にがんを発見できる検査法として、平成4年からがん検診に追加されました。この検診を受けることで、大腸がんの死亡リスクを15%〜33%減少させることができます。
 ただし、病気があるのに採取時に出血していない「偽陰性率」が比較的高いのが問題で、大腸内視鏡検査を併用することが大切です。
 大腸内視鏡検査は、(1)自宅で下剤を服用して、完全に便を出してする全大腸内視鏡検査と、(2)浣腸のみで、大腸がんの好発部位の直腸、S状結腸の一部を観察する方法があります。ポリープがあればその場で治療も可能です。最近は、内視鏡から特殊光を大腸粘膜にあてることで、従来よりも早期ながんを発見できるようになりました。治療の程度により、短期入院を必要とする場合もありますので、大腸肛門病専門医とよく相談して受けるようにして下さい。 
     
Q 「麻酔科」とは、どんなことをしている科目ですか?
回答者
麻酔科
貴志川紀和病院
麻酔専門医
尾松 徳則先生
A 「麻酔科」は、手術中の麻酔の処置および患者さんの全身管理などを行う重要な科目です。他の診療科目のように外来診察等がありませんから、あまりなじみがないのかも知れませんね。
 例えば骨折の治療を手術で行う場合、外科医はその手術に集中することが理想です。執刀しながら患者さんの血圧や脈拍、体温など体全体に気を配るのは、とても困難です。患者さんの中には、もともと高血圧や心不全、糖尿病等を患っている方も多くいらっしゃいますし、年齢を重ねると、まったくの健康体の方ばかりではありません。さらに、健康に自信のある方でも、手術中の痛み止めの効き方が弱ければ、血圧や脈拍は上がり、出血が多ければ血圧は下がります。外科医が、手術の進行以外の事に全く気を取られずに集中できるよう、患者さんのそばで身体の状態に常に気を配り、安定させ、お守りするのが麻酔科医の仕事です。
 痛みは、手術中も手術後もつきまとうものですが、麻酔科医は、患者さんの苦痛を軽減し、入院生活を快適に送れるようお手伝いしています。麻酔について不安な方は、どんなことでも麻酔専門医にご質問下さい。
        
Q 耳鳴がして不安です。睡眠不足やストレスを感じます。
回答者
耳鼻・咽喉科
おく耳鼻咽喉科
奥 雅哉院長
A 最近、耳鳴に悩む方が増えています。耳鳴は外部の音と関係なく、本人が音として知覚する異常聴覚現象です。難聴を伴うことが多く、難聴の原因と密接に関係するケースも頻繁に見られます。
 耳鳴の大多数は、本人しか聞こえない「自覚的耳鳴(非振動性耳鳴)」です。これには
鼓膜、中耳腔圧、耳小骨連鎖、耳小骨筋の障害によって生じる「中耳性耳鳴」
蝸牛の感覚細胞障害によって生じる「蝸牛(内耳)性耳鳴」
内耳より中枢側の聴覚路の障害によって生じる「中枢性耳鳴」
頭部・頸部の動きに関連して生じる「頸性耳鳴」
があります。
 原因がはっきりしていれば、その病気の治療をすることが耳鳴の解消につながりますが、一人ひとり異なる原因の要素が複雑に関連している場合も多く、治療は複数の要因を考慮した上で行うこととなります。背景に精神的ストレスが考えられる場合は、休養やリラックスすることも心がけましょう。
 まれに、聴覚路以外の別の疾患により耳鳴が生じている事もあります。耳鳴は我慢することなく、ぜひ、専門医の診察をお受け下さい。
     
Q 皆既日食を観察しようと思います。気をつけることは何ですか。
回答者
眼 科
吉村眼科
吉村 利規院長
A 今年7月22日は、日本で46年ぶりに皆既日食が観察できる日です。和歌山では午前9時50分頃から欠け始め、同11時5分頃に最大約85%が欠ける様子が見られます。
 観察で気をつけて頂きたいのは、決して太陽を長時間見つめないこと。光は水晶体を通って目の奥の網膜で焦点を合わせるため、肉眼で見続けると網膜がやけどし、視力低下や失明のおそれがあります。また、昔は、黒い下敷きやススを塗ったガラスで見てもよいと言われていましたが、これらの方法では、可視光線以外の紫外線や赤外線を通してしまうため非常に危険です。絶対にしないようにして下さい。
 皆既日食の観察には、特殊な遮光フィルターを装着した専用の「日食メガネ」を使うことをおすすめします。インターネット等で検索すれば取り扱い先を調べることができますし、科学を対象にした公的施設に問い合わせてもよいでしょう。ただし、日食メガネをかけたまま、望遠鏡やカメラをのぞいてはいけません。失明の危険があります。
 宇宙の神秘を体験できる日食。安全に観察できる準備と心構えで、またとない天体ショーを家族や友人たちと一緒に楽しみましょう。
     
Q 成人の80%は歯周病だと聞いたのですが、本当ですか?
回答者
歯科・口腔外
ふぁみりー歯科
クリニック歯科衛生士

矢田 早希子さん

A 本当です。歯周病は、初期段階では自覚症状はほとんどありませんが、痛みや腫れに気付いたときには末期になっているといった、恐ろしい病気です。詳しく説明します。
 歯周病の原因は、口の中に残った食べカスから繁殖した歯垢(プラーク)という細菌の塊です。これを歯の表面についたまま放っておくと、石のように硬い歯石となり、ますます歯垢がたまりやすくなります。さらに、歯垢の中の歯周病菌が、歯と歯茎の境目に侵入して炎症を起こし、歯周ポケットを作ります。歯周ポケットが深くなると歯を支えている歯槽骨が溶かされ、歯が自然に抜け落ちてしまいます。
 歯周病にならないためのポイントは次の3点です。
 (1)自分の歯並びにあった、正しいブラッシングをマスターしましょう。(2)歯ブラシ以外にも、デンタルフロスや歯間ブラシを使って、歯と歯茎をすっきりと。(3)歯科医院で定期的にデンタルケアを受けましょう。歯垢除去や歯石をつきにくくするクリーニングがおすすめです。また、歯周病菌の感染を確認することもできます。
 歯周病は、喫煙習慣のある方や糖尿病の方、不規則な生活の方等に多く見られます。心配な方は歯科医師にご相談下さい。
     
Q 糖尿病の人が感染症にかかりやすく重篤化しやすいのはなぜ?
回答者
内 科
たまい内科
糖尿病専門医
玉井 昌紀院長
A 糖尿病の方は、急性上気道炎(インフルエンザ等)、肺炎、結核、尿路感染症、胆のう炎、皮膚感染症、歯肉炎等の感染症にかかりやすくなります。その理由として、血糖が高い状態が続いているため、体内に侵入してきたウイルスや細菌を処理する白血球の力や、免疫反応が低下していることが考えられます。また、血糖が高い状態では、細い血管の血液の流れが悪くなり、白血球や抗生物質などの薬物が感染部位に到達しにくく、回復が遅れます。
 なお、糖尿病性神経障害を合併していると、痛みを感じる神経も障害されるので、症状に気付くのが遅れ、その間に病気が進行してしまいます。さらに、感染症にかかったときは、血糖値を上げるホルモンやサイトカインがたくさん分泌され、血糖がより上昇し、感染症を悪化させてしまうという悪循環が生じます。
 従って、感染症にかかり食事量が少ないからといって、経口剤の服用やインスリン注射を自己判断で中止すると、血糖値が極端に高くなり、昏睡に陥ることがあります。発熱、嘔吐、下痢などの症状が強く、24時間以上続く時は早めに医療機関を受診し、適切な処置を受けることが重要です。
問い合わせ電話番号
楽健康友の会 073-433-5000
淀澤医院 073-457-2393
福外科病院 073-445-3101
貴志川紀和病院 0736-64-0061
おく耳鼻咽喉科 0736-69-1733
吉村眼科 073-432-0314
ふぁみりー歯科クリニック 073-454-2332
たまい内科 073-446-0021
            
※ニュース和歌山本紙での、次回掲載は2009年8月8日土曜日の予定です。お楽しみに!