おしえて! マイドクター 
2009年8月8日号より
質問内容
回答者
 プールに入った後、眼が赤くなります。どうすれば治りますか? 吉村眼科・吉村 利規院長
 糖尿病の人の「水分補給」について教えて下さい。 たまい内科 玉井 昌紀院長
 腹痛や、腹部の違和感があります。排便で少しよくなりますが… 福外科病院 福 昭人副院長
 胃ガンの原因と言われる「ピロリ菌」について教えて下さい。 上中クリニック・上中 博之院長
 排便時に痛みと出血があります。手術は必要でしょうか? 楽クリニック藤田 定則院長
 「熱中症」ってよく聞きますが、どんな症状が出るんですか? 貴志川紀和病院殿尾 守弘院長
 慢性的な腰痛に悩んでいます… 今村病院 理学療法士岩本 惇先生
       
        
Q プールに入った後、眼が赤くなります。どうすれば治りますか?
回答者
眼 科
吉村眼科
吉村 利規院長

A プールの水は、一定の濃度の塩素消毒が行われており、大腸菌などの細菌が検出されないことになっていますが、時間とともに塩素が消失すると消毒効果がなくなり、汚染されてきます。
 プールで目を開けた時にしみるのは、涙とプールの水との浸透圧の違いなどが原因で目が化学的に刺激され、炎症が起きやすくなるためです。汚染されたプールの水や消毒の塩素から目を守ることを考えると、ゴーグルの使用が望ましいといえます。
 目の汚れを清潔な水で洗い流すことは、目の炎症に治療効果があります。水道水には塩素が含まれており、一応清潔な水であるため、プールに入った後は、水道水で洗眼します。ただ、これについては、「塩素を含んだ水道水での洗眼は、目の表面にある涙などの、もともとある防護機能を破壊する」等の学会報告がなされている一方で、「短時間の洗眼では心配ない」との見解もあります。
 ゴーグルを使用すれば、プールの後、目の周りを軽く洗うだけで十分でしょうし、さらに防腐剤無添加の人工涙液の点眼をすれば理想的です。
 目やになどが出る場合は眼科を受診して、治療を受けてください。

      
Q 糖尿病の人の「水分補給」について教えて下さい。
回答者
内 科
糖尿病専門医
玉井 昌紀院長
A 多量に汗をかく夏場は、十分に水分補給をしないと、倦怠感、頭痛、吐き気、めまいなどの脱水症状が出てきます。脱水状態が続くと、(1)脳梗塞や心筋梗塞 (2)熱中症(3)高血糖の原因となります。
 「運動時は何ml飲むと良い」と一概には言えませんが、一度にたくさん飲むと胃に負担がかかるので、のどが渇く前に少量ずつ飲むことを心がけます。例えば、運動前に約200ml、ウオーキング中は20〜30分毎に100〜200mlの水分を補給すると良いでしょう。(心疾患や腎疾患のある方は主治医と相談して下さい)
 また、塩分の補給も必要です。スポーツドリンクには塩分以外に、100グラム中5グラム程度の糖質も含まれていますので、多量に摂取すると高血糖になる可能性があります。糖尿病の方が長時間スポーツを行う場合は、スポーツドリンクを3〜4倍に薄めるなどして高血糖に注意して下さい。なお、ビールやコーヒーは利尿作用があり、水分補給としては適切ではありません。
 もし、脱水症状が現れたら、軽症なら水分を補給して涼しい場所で休み、改善しない場合は医療機関を受診して、血糖検査や点滴等の処置を受けることが必要です。
 
           
Q 腹痛や、腹部の違和感があります。排便で少しよくなりますが…
回答者
消化器外科・肛門外科

福外科病院
消化器内視鏡専門医
福 昭人副院長

A 便通異常には、いわゆる便秘や、下痢と便秘を繰り返す交替性便通異常があります。また、交替性便通異常は、ガンや潰瘍性大腸炎など、腸や全身の病気が原因となる器質性便通異常と、精密検査で確認できる病気はないが、ストレスや生活習慣病によって起こる機能性便通異常に分けられます。
 機能性便通異常は「過敏性大腸炎」とも呼ばれ、過去3カ月間、月に3回以上にわたり腹痛や腹部不快感が繰り返し起こり、かつ次の2項目以上が該当するものを言います。
 (1)排便によって症状が軽快する
 (2)発症時に排便頻度の変化がある
 (3)発症時に便形状(外観)の変化がある
 治療は食事、生活習慣の改善がまず必須で、高分子ポリマー、消化管運動調整薬の内服治療を併用します。
 ただし、警告症状として、急激な発症あるいは急速に増悪する症状、貧血、予期しない体重減少、血便、微熱、消化器悪性腫瘍の既往および家族歴がある、50歳以上である等が挙げられます。該当する方は、大腸肛門病専門医で大腸内視鏡検査など精密検査を行い、器質的な病変の有無を調べる必要があります。
     
Q 胃ガンの原因と言われる「ピロリ菌」について教えて下さい。
回答者
消化器(内科・外科)

上中クリニック
上中 博之院長

A 2005年、ピロリ菌の発見および研究の功績に対し、ロビン・ウォレン博士とバリー・マーシャル博士に、ノーベル賞が授与されました。
 ピロリ菌は、胃ガンの原因のひとつです。特に、東南アジアやインドのピロリ菌に比べ、日本のピロリ菌は発ガンしやすいと考えられています。年齢層により感染率が大きく違いますが、50歳代から上の人では、感染率が60%以上と言われており、ある調査では、胃カメラを行った人の、実に80%以上でピロリ菌を認めました。
 ヘリコバクター・ピロリ学会では、感染者すべての治療を推奨していますし、イギリスでは治療するように定められています。現在、日本では胃潰瘍・十二指腸潰瘍の有無などにより検査・治療が自費になることもありますが、胃カメラだけでなく、尿などでも検査は出来、自費でも2000円程度から検査できます。除菌に成功された方からは、ご飯がおいしくなった、痛み止めの薬を飲んでも胃が荒れなくなったとの声が寄せられています。また、口臭がひどいとか、すぐに下痢をするなどの過敏性腸炎の症状がピロリ菌の除菌により治った患者さんも多くあります。気になる方は、一度相談されてみてはいかがでしょうか。
        
Q 排便時に痛みと出血があります。手術は必要でしょうか?
回答者
肛門外科
楽クリニック
藤田 定則院長
A 切れ痔は、肛門の皮膚が切れて、痛みや出血を起こす病気です。
 切れ痔ができてすぐの時期であれば、薬での治療と、便を柔らかく保つことを心がければ早く治ります。しかし、慢性化してしまうと薬だけではなかなか治りにくく、半年から一年ほどそのまま放っておくと、排便時の痛みや切れ痔の傷の炎症のために、肛門が少しずつ狭くなってしまうことがあります。
 また、切れ痔の部分の肛門外側と直腸側にイボやポリープができる場合もあります。こうなると手術による治療を選択することになります。手術内容は、切れ痔とできてしまったイボやポリープを一括して切除する方法となるでしょう。かなり長年患っていて、肛門が小さくなってしまっている方は、肛門を広げる手術も必要となります。
 医学の進歩により、切れ痔の手術も15分〜30分ほどの短時間で、眠っている間に終わります。また、術後、自宅で療養できる日帰り手術で治せるようになってきました。入院せずとも、どなたでも楽に痔の治療を受けていただけます。ひどくなる前に、専門医の治療を受けられることをおすすめします。
     
Q 「熱中症」ってよく聞きますが、どんな症状が出るんですか?
回答者
整形外科
貴志川紀和病院
殿尾 守弘院長
A 「熱中症」という言葉はよく知られていますが、毎年夏に被害が後を絶たないのは、自分では気づきにくい、あるいは「たいしたことはない」と感じてしまうからです。
 熱中症とは、日射病や熱射病と呼ばれるものの総称で、「高温下での運動、労働の為、発汗機構や循環器系に異常を来たし、体温上昇や発汗停止とともに虚脱・けいれん・精神錯乱・昏睡などを起こし、生命の危険を伴うこともある」とされています。注意したいのは、自分では「ちょっとしんどい、だるい」「気分が悪い」程度と思っているうちに症状が進み、周囲の気遣いに「大丈夫」と答えた直後に倒れるといったケースです。反応が鈍くなってきた、言動がおかしい、意識がはっきりしない、意識がなくなったら、すぐに救急車を要請してください。
 と、同時に、応急処置も忘れずに! 実は、このような状態の時には、水分補給は厳禁です。気管へ誤飲し窒息するかもしれず、また、嘔吐した吐物で窒息しないよう、横向きに寝かせ、救急隊の到着を待ちましょう。救急車を呼ぶほどでもないが、熱中症の症状があったら、体調が良くなっていても必ず病院で診察を受けてください。
     
Q 慢性的な腰痛に悩んでいます…
回答者
リハビリテーション科

今村病院
理学療法士

岩本 惇先生

A 腰痛は、非常に多くの人が悩んでいる疾患であり、生活習慣病の一つとも言われています。30〜60歳代では性別に関係なく約30%の方が、70歳以上の女性では約47%の方が腰痛持ちだという報告もあります。
 腰痛の原因疾患は、筋・筋膜性腰痛、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎分離・すべり症、変形性腰椎症、腰椎椎間関節症などです。今回のご質問では、『長時間の同じ姿勢での腰の重だるさ』や『マッサージをすると楽になる』とのお話から、筋・筋膜性腰痛ではないかと考えられます。この疾患は腰痛の中でも最も患者数の多い、〝一般的な腰痛症〟です。
 筋・筋膜性腰痛は、不良な姿勢や、腰部への負担となる体の使い方により、腰部の筋肉が疲労し、痛みを生じる腰痛のことです。不良な姿勢とは、いわゆる「猫背」や「反り腰」などで、このような姿勢を持続的にとることで、腰部の筋肉に疲労がたまり、筋肉の痛みを引き起こします。不良な姿勢の原因には、足部や股関節、体幹などの筋力および柔軟性の低下が考えられます。
 また、姿勢以外に、体の使い方から腰痛を発症する場合もあります。仕事や家事で体を動かす際に、中腰姿勢など、腰部に対して負担のかかる使い方を反復していると、腰部の筋肉に疲労がたまり、腰痛の原因となる場合があります。治療としては、「不良な姿勢」もしくは「体の使い方」の要因を見つけ出し、そこに対して働きかけを行うことになります。

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患部の治療以外に、腰痛の原因を取り除くことも重要

 慢性的に腰痛を抱えている方からよく聞くのが『マッサージをすると楽になるが、2〜3日でまた痛くなる』という声です。疲労している腰部の筋肉に対して治療することはもちろん大切ですが、筋力や柔軟性の問題により不良な姿勢となり、腰痛を呈している場合は、その部分を改善しなければなりません。また、間違った体の使い方をしていれば、日常生活から見直し、上手な体の動かし方を身につけるのが先決です。マッサージしているだけでは、その場限りの対処療法となってしまう恐れがあるからです。
 腰痛には様々な原因疾患があり、治療方法もそれぞれに大きく異なります。一人ひとりに合った適切な治療を受けるためにも、腰痛に悩まされている方は、ぜひ一度、お気軽に専門医へご相談下さい。

問い合わせ電話番号
吉村眼科 073-432-0314
たまい内科 073-446-0021
福外科病院 073-445-3101
上中クリニック 073-475-5030
楽健康友の会 073-433-5000
貴志川紀和病院 0736-64-0061
今村病院 073-425-3271
            
※ニュース和歌山本紙での、次回掲載は2009年10月10日土曜日の予定です。お楽しみに!