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2011年12月17日号より
質問内容
回答者
 痔と思って受診したら、直腸脱と診断されました。 福外科病院福 昭人副院長
 寒い季節は脳の病気にかかりやすい、というのは本当ですか? きのしたクリニック・ 木下 泰伸院長
 切れ痔で市販のお薬を使っても治りません。手術は痛いですか?

楽クリニック・藤田 定則院長

 最近開発されたドライアイの点眼薬について教えてください。 吉村眼科吉村 利規院長
       
        
Q 痔と思って受診したら、直腸脱と診断されました。
回答者
大腸肛門外科
・消化器外科
福外科病院
大腸肛門病専門医
消化器内視鏡専門医
福 昭人副院長
A 痔による脱肛と直腸脱は、専門医でなければ区別が困難なときがあります。治療方法がまったく異なるため、注意が必要です。
 「直腸脱」は、直腸壁の全層が肛門外へ反転脱出するものをいいます。これに対して、直腸の最下部および肛門管上半部の粘膜層のみが脱出するものを「直腸粘膜脱」あるいは「不完全直腸脱」と定義しています。発症年齢は幼児期、壮年期、老年期の3期に分けられますが、最近では、老年期の女性に増加しています。老年期になると、骨盤底筋群が弱くなることが原因です。
 主な症状は、腹圧をかけると直腸壁が肛門外に脱出、鶏卵大の膨瘤をつくります。これは手で押し込むと戻ります。ただし、この状態を放置すると肛門の締まりが悪くなり、出血や粘液の漏出を伴います。
 治療は、幼児期では排便習慣の改善、局所注射(硬化療法)などによりますが、加齢に従って症状は消失します。壮年期になると脱出の程度が高度のものが多いので、開腹手術(腹腔鏡手術)を要するケースが頻出します。老年期は、病状により、肛門からの手術と開腹による手術のいずれかを選択します。まずは、大腸肛門病専門医に相談することをおすすめします。
      
Q 寒い季節は脳の病気にかかりやすい、というのは本当ですか?
回答者
脳神経外科
きのしたクリニック
木下 泰伸院長
A 脳の血管の障害で起こる病気には、「高血圧性脳出血」「くも膜下出血」「脳梗塞」があります。とくに脳出血は、血圧の上昇が原因となり、冬場に多く発症します。気温が下がると、血管が収縮し、血圧が上がりがちになります。家庭でも日頃から血圧測定をするなど健康管理が大切です。
 また、暖かい部屋から急に寒い所に出た時など、気温の変化も血圧を上げる要因になります。とくにトイレや風呂あがりの脱衣所、玄関先などは気温差があり、脳出血を起こしやすいといえます。このほか、塩分のとりすぎや、飲酒や肥満、たばこ、ストレスにも要注意です。
 さらに、カゼなどの体調の悪化から脱水状態になり、脳梗塞を起こすこともあります。栄養、睡眠、休息を十分にとり、防寒にも気をつけましょう。手足のしびれ、脱力、頭痛など、異変を感じたら、ただちに専門医を受診してください。脳梗塞は午前中、とくに起床時における発病が多いことが知られています。脳の病気はできるだけ早く初期治療を始めることが重要です。
 家庭においては、各部屋の温度差をできるだけ均一にする、食事に留意する、適度な運動を心がけるなど、身近な予防策が効果的です。
 
           
Q 切れ痔で市販のお薬を使っても治りません。手術は痛いですか?
回答者
外 科
楽クリニック
藤田 定則院長
A 切れ痔は、肛門の皮膚が切れて痛みや出血を起こす病気です。便の硬さをやわらかくして、切れ痔用の軟膏を使っていくと、ほとんどの場合、早く治っていきます。しかし、痛みがなくなったからといって、完治する前に自己判断で治療を中止すると、再発を繰り返す傾向があります。どうしてもお薬だけで完治しない場合は、指をつかって肛門を広げるマッサージを行います。一日2回、朝晩数分ずつ続けると血流が良くなり、切れている部分が自然と治癒していきます。早い方で、1カ月くらいで治ります。
 ところが、1年以上お薬やマッサージをしても、なかなか治らない方がおられます。長期になると、排便時の痛みや切れ痔のキズの炎症のために、肛門が少しずつ狭くなったり、切れ痔の部分の肛門側と直腸側にいぼやポリープが出来る場合もあります。慢性の切れ痔で長い間悩まれている方は、最終的には、手術が望ましいでしょう。
     
Q 最近開発されたドライアイの点眼薬について教えてください。
回答者
眼科 
吉村眼科
吉村 利規院長
A 目の表面を覆う涙は三層構造になっています。角膜に近い方から、リン脂質でできている「ムチン層」、酸素や栄養素が多く含まれる「涙液層」、涙液層の蒸発を防ぐ「油層」です。瞬きをすることで涙が目の表面を潤し、保護します。
 今まで「ドライアイ」に対しては、不足する涙の成分を点眼薬で補ったり、涙の排出口を塞ぐために涙点プラグと呼ばれる極小プラグを挿入したり、乾燥を防ぐ専用の防護メガネを使用したりということが行われてきました。それに加え最近、角膜の表面にあるムチン層を保護するとともに、ムチンの分泌を促進する目的の点眼薬が新たに開発されました。近年の研究結果で、BUT(涙液層が破壊されるまでの時間)が異常値である症例では、角膜表面のムチン層にも異常が見られることが分かってきています。
 空気が乾燥しやすくなるこれからの季節は、ドライアイの症状を示す人が増加します。コンタクトレンズの装用や、前方を見つめる車の運転、画面を凝視するVDT作業など、瞬きが少なくなるような状況を続けていると症状が悪化します。 
 ドライアイは原因により対策が異なります。眼科専門医を受診し、原因を明らかにした上で、指示に従って下さい。
        
問い合わせ電話番号
福外科病院 073-445-3101
きのしたクリニック
073-465-3777
楽健康友の会(奥本医院) 073-455-0709
吉村眼科 073-432-0314
            
※ニュース和歌山本紙での、次回掲載は2012年1月28日土曜日の予定です。お楽しみに!