城下町の風景 〜カラーでよむ『紀伊国名所図会』〜
画=岩瀬広隆、彩色=わかやま絵本の会・芝田浩子
お城への北西入口 吹上御門  (17)吹上御門辺の図

 上の絵は、和歌山城を北西上空から眺めた約160年前の風景です。今の汀丁交差点付近ですが、けやき大通りと中央通り(国道24号)にあたる道が実際よりかなり広くえがかれています。
 旧中消防署付近には、西外堀があって西の丸橋が架かっています。橋を渡ると吹上御門があり、門をくぐって左へ進むと、西外堀の曲り角の石垣の上にみえる吹上大御門に至ります。
 左下の建物は文政3年(1820)に置かれた紀州藩の御蔵で、蔵の前には米俵がたくさん積まれています。その敷地は、今のネッツトヨタと毎日新聞社付近にあたり、北・東・南が西外堀で囲まれていました。
 明治6年(1873)道路建設のため、今の商工会議所前の部分が埋め立てられたのを皮切りに、西外堀は旧中消防署の西側を除いて、昭和15年(1940)頃までにすべて埋め立てられました。その跡地には、商工会議所、勤労者総合センター、教育文化センター、あいあいセンターなどが建っています。(和歌山市立博物館主任学芸員 額田雅裕)