城下町の風景 〜カラーでよむ『紀伊国名所図会』〜
画=岩瀬広隆、彩色=わかやま絵本の会・芝田浩子
広瀬から望む和歌山城 (23)岡口御門辺の図

 和歌山城を東側から望んだ約160年前の風景です。岡口御門は浅野時代までの大手門で、その後も南東部の入口として利用されました。門の左には御蔵、右には多門櫓、さらに右には銃眼を備えた土塀が続きます。門と土塀は、空襲でも焼失せず、和歌山城で唯一、国の重要文化財に指定されています。
 お城の手前には広い東堀、左側には南堀があります。南堀は現在空堀ですが、当時は水をたたえていました。左端中央は天妃山、その横は待合所で、屋根に槍をもたせかけ、登城した藩士の供の人たちが待機しています。前には駕籠5台、馬屋には馬3頭がみえます。隣は、城の修理などに携わる職人が住んだ百間長屋です。
 東堀の手前は藩の重臣屋敷が建ち並ぶ三ノ丸で、入口に広瀬御門と番所、門の両側には土塁が設けられています。広瀬通りに沿う東外堀には、堀端へ降りる雁木がみえ、ここまで舟で物資を運ぶことができました。
三年坂の向こうには水軒堤防、はるか沖には紀伊水道を航行する船の帆がみえています。(和歌山市立博物館主任学芸員 額田雅裕)