城下町の風景 〜カラーでよむ『紀伊国名所図会』〜
   
城下町の風景
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画=西村中和、彩色=わかやま絵本の会・芝田浩子
紀伊水道望む紀の川の河港  (29)湊河口
 上の絵は、久保丁付近から西の紀伊水道を眺めた約200年前の風景です。背景には、和泉山脈の雨森山(雲山峰=490メートル)・飯盛山(385メートル)から淡路国(現=兵庫県)、鳴門海峡を挟んで四国の阿波国(現=徳島県)までえがかれています。
 市立博物館のある湊本町付近は河港となっていて、通称湊西河岸(みなとにしがし)といいました。城山(久保丁四丁目の河岸公園付近)の西側には、帆をおろした船が何隻も停泊し、突堤では積荷が下ろされています。河岸には船改めの番所があります。
 紀の川の中州では白い布をさらしています。その北岸の外浜には、湊の目あてとなった燈籠堂がみえます。鼠島(現=築港)の向こう側には、薬種畑から青岸へ続く砂丘上に松並木があり、その手前(東側)は風除けになって船が停泊する天然の良港となっていました。 
 沖には、湊を目指して紀伊水道を航行してくる船の帆がいくつもみえ、当時、海上交通が活発であったことがわかります(和歌山市立博物館主任学芸員額田雅裕)