マスクを毎日付け始めてから、半年近くになる。体調に問題はないが、新型コロナウイルスの感染予防やもし自分が保菌していたらと思うと、まだまだ付けざるを得ない▼仕事では初対面の人が多いのに、お互いマスク姿では本来の顔が見えない。今度会ってもだれか分からないのは寂しく、取材の始めに顔が写った社員証を見せるようにしている▼最近はマスクに熱がこもるため、水着生地のものに替えたところ快適になった。鏡の中の自分が味気なく、刺しゅうをした。色んな人に「いいね」と言われ、思わぬ効果を感じた。雑談でさえコロナに浸食される中、マスク越しにほほえみ合える話の種になった▼ウイルスは色んな日常を奪ったまま、返してくれる気配がなく、緊張感はまだ張りつめている。笑顔を見る機会も減ったような…。街ゆく人がマスクから解放され、どんな話で、どんな顔で笑うのか。自分が今できる精一杯の工夫を続けながら、その日を待ちたい。 (井本)

(ニュース和歌山/2020年7月25日更新)