今回から「ふるさと和歌山城 ワンポイント」と題し、和歌山城の見所を紹介していきます。 初回は天守閣の南東、岡口門を紹介しましょう。1957年には、国の重要文化財に指定され、春になると、桜並木に挟まれてとても絵になる門で、すぐ近くにある岡公園とともに大勢の人でにぎわう場所です。

 豊臣秀吉(城代桑山氏)の時代には、岡口門辺りに大手門(正面の門)が造られていました。秀吉築城時には、まだ太田や雑賀の残党がいて、その警戒心から、岡口側に大手門を構えたのかもしれません。関ヶ原合戦後の浅野時代になって、今の一ノ橋に大手門が移され、岡口門は搦手(からめて)向き(=城の裏手)になりました。

 現在の岡口門は解体修理の結果、江戸初期に造られたものと判明しましたが、構造的に門の外に石垣が突きだしていることや櫓門の造りなどに浅野氏築城の特徴が見られますので、おそらく浅野時代の構造を踏襲して建てられたのではないか推測します。

 和歌山城に見られる門扉はすべて「上部透かし(格子)」構造ですが、岡口門のみその部分の面積が広いことは、最大の特徴と言えます。その門扉を閉じると透かし部分から鉄砲や槍で敵を撃つことができます。岡口門の守りは、同門上の窓や同続櫓(現在は櫓台のみ)とそして続塀(国重文)の狭間からも攻撃でき、この構えだけで充分に敵への威嚇になっていました。

さらに門内は桝形(内桝形)に造られるなど、万が一の戦を踏まえた城門造りは、敵を遠ざける知恵が満載です。(水島大二・日本城郭史学会委員)。

 詳細はニュース和歌山発行、水島大二著『ふるさと和歌山城』。オールカラー、128㌻。税込み1320円。 和歌山城の魅力とその特徴が満載です。詳細はhttps://www.nwn.jp/book/