4大会連続でオリンピックを制し、2016年、国民栄誉賞を受賞した伊調馨選手(ALSOK)によるレスリング教室・体験会が12月2日と3日、和歌山市手平のビッグウエーブで開かれ、県内の幼稚園・保育園児から中学生まで約250人にレスリングの楽しさを伝えた。

 県レスリング協会と県スポーツ振興財団が実施したイベント。3日は同財団主催の体操教室に通う子どもや、県教委が運動能力の高い小学生を集めて強化を図る「ゴールデンキッズ発掘プロジェクト」の4・5年生ら、レスリング未経験者が中心だった。

 子どもたちと一緒にウォーミングアップに汗を流す伊調選手は終始、笑顔。タックルの指導では「手で押しても相手はなかなか倒れない。手で相手の足を持ち、胸で思いっ切りぶつかること」と説明し、手本を見せるとキレのある動きに拍手が起こった。

 最後は1人の相手と1分間、計10人と戦うスパーリングで、伊調選手も入り、子どもたちに試合形式で指導した。レスリング初挑戦ながら伊調選手にどんどんタックルを仕掛けていたゴールデンキッズの土井菜々椛(ななか)さん(和歌山大学附属小5年)は「なかなか手強かったですが、最後は何とか倒すことができました。伊調さんと戦えてうれしい」と満足の表情。

 同様の教室を全国で開いている伊調選手は「和歌山の子は最初、みんな静かで、引っ込み思案な子が多いのかなと思いましたが、時間がたつにつれ距離が縮まりました。汗だくになって頑張る子もいて、黙々と一生懸命に取り組む子が多いと感じました」とにっこり。「家でできる運動も教えましたので、子どもたちがレスリングをやってみようと思うきっかけになればうれしいですね」と期待していた。

写真=タックルを指導する伊調選手(手前)

(ニュース和歌山/2017年12月9日更新)