子育て中の母親らでつくる親子えんげき塾「ことばの泉」が初公演「キリスト生誕劇」を12月28日(金)、和歌の浦アートキューブで行う。言葉の響きを大切にする〝言語造形〟で表現する劇で、メンバーの東郷桃子さんは「言葉で満ちた静かなミュージカルのような劇。見に来てくれた人の内側に、クリスマスギフトのように届くものがあれば」と願っている。

子育て中の母親ら初公演

 言語造形は息づかいの強弱や母音の特性などを意識し、空間に言葉を形づくるように響かせる「言葉の芸術」。習っていた東郷さんが、日常で話す言葉の大切さを子どもに伝えるため、まずは母親が言葉と向き合う姿を見せようと、言語造形家の諏訪耕志さんを講師に迎え、県内で子育てする母親や主婦らで4月に同塾を結成した。

 生誕劇はマリアとヨゼフが馬小屋でキリストを授かり、誕生の知らせを聞いた羊飼いがキリストを訪れる物語。メンバー8人が生のヴァイオリン演奏に乗せた歌を織り交ぜ、全身でせりふ一音一音を丁寧に語り、演じる。

 羊飼い役の鎧有希さんは「役の性格により強める母音が違うなど、最初は難しくてとまどった。普段使う言葉に潜む芸術を感じるようになってきました」。羊飼い役の有本多恵さんは「人間という楽器を使って言葉を奏でるよう教わった。劇を見て、自分もやりたいと思ってもらえれば」とほほ笑んでいる。

 午後1時。小学生3人による古事記の朗唱「天地のはじめ」も。1500円、当日2000円。中高生1000円、小学生以下無料。詳細は同塾(kotobanoizumi.engeki@gmail.com)。

写真=自主練習を重ねる羊飼い役の3人

(ニュース和歌山/2018年12月8日更新)