何気ない日常の風景に、「いつからこうなの?」とふと思ったりしませんか。

 和歌山市では田中町交差点北西角にある中華そば井出商店の行列。土日はもちろん、平日でもズラリと人が並んでいる光景は珍しくありません。

 今回は、和歌山市の60代女性から寄せられた「和歌山ラーメン、いつの間に全国で有名なラーメンになったの?」です。

豚骨しょう油スープが定番

 井出商店は昔から地元では知られたラーメン店でしたが、あることをきっかけに行列ができる店になりました。当時のことを店主の井出紀生さんに聞きました。

テレビ番組の優勝きっかけ

 「和歌山ラーメン、いつから全国で有名?」。井出さんによると、1998年元日にテレビ放映された『日本一うまいラーメン決定戦』で井出商店が優勝したのがきっかけだそうです。「好みがあるので、本当は味に順位をつけるのは嫌い。でも、優勝できたのは、運がありました」と振り返ります。

 実はその少し前から、首都圏などでご当地ラーメンとして「和歌山」の名があがり、早寿司やゆで卵と食べるスタイルが話題になりつつありました。その時に優勝して、火がつきました。

 ただ、和歌山の店の味は「井出系と車庫前系の2種」と言われますが、豚骨しょう油の共通点がある程度。井出さんは「それぞれ味を受け継いだだけ。一緒に和歌山ラーメンを売り込んだことはなく、だいたいラーメンと言ってもピンとこず、〝中華そば〟です」と話します。

 それでも、ラーメンマップが作られたり、ラーメンタクシーが走ったりして、和歌山ラーメンはすっかり定着しました。

(ニュース和歌山/2024年4月20日更新)