毎年恒例、かつては日本三大祭の一つと言われた「和歌祭」をあすに控える和歌浦地区。今回は和歌山市のK・Sさんから届いた「(和歌浦にある)高津子山は『章魚頭姿山』とも書きますが、由来は?」です。

 標高136㍍あり、県の朝日夕陽百選のひとつです。国土地理院の地図には「章魚頭姿山」とあり、読み仮名は「たこずしやま」と表記されています。山の名前に海の生き物が入っていて珍しいですが、なぜこんな名前になったのでしょうか?

形が「たこ」に 似ているから

山頂から見える景色

 山のふもと、新和歌浦第1トンネルのすぐ東にある毘沙門寺をたずねたところ、「山頂の展望台に由来を書いた看板がある」と教えてくれたので、実際に登ってみました。

 和歌浦漁港から海岸通りを車で西へ走ると、右手に展望台の案内板が見えてきます。そこから歩いて登ること約20分、山頂の展望台に到着しました。見渡すと、東に和歌浦の街並みや片男波の風景、北は手前に西浜の工業地帯、奥には和泉山脈を眺められ、絶景です。

 そばにある和歌の浦日本遺産活用推進協議会の案内を見ると、「高津子山(たこのような姿から章魚頭姿山ともいう)」との表記。江戸時代後期に描かれた地誌書『紀伊続風土記』には、「蛸(たこ)頭姿山」と書かれているので、〝たこ〟をイメージして名付けたと分かります。ふもとから見上げても分かりにくいので、「ここからだとたこに見える」と思う場所を探すのもいいかもしれませんね。

(ニュース和歌山/2024年5月11日更新)