長らく通っていなかった道を進むと、「あれ、こんなのあったっけ?」と思うことがしばしばあります。新しいお店や施設ができていたり、多くの住宅が建ち並んでいたり──。

 今回は、紀の川市の50代女性から寄せられた「桃山第2工業団地の工場の壁にある大きな絵は誰が描いたの?」です。

    龍のような、鹿のような…。

 同市桃山町調月の共栄テクシード南工場の壁面です。高い位置にあるため、工業団地入口と国道424号線の交差点からよく見えます。夜はライトアップしており、より目を引きます。

巨大壁画描く淺井裕介さん

「桃山第2工業団地の工場の壁にある大きな絵は誰が描いたの?」。共栄テクシードの的場久揮取締役に聞くと、「巨大壁画などを手がける画家、淺井裕介さん」と教えてくれました。淺井さんは、泥やマスキングテープ、マーカーなど身近な素材を使い、動物や植物、また、顔や目、手などを複合的に絡み合わせ、建物内外に描く壁画が有名です。東京の代々木公園にある「植物になった白線」は道路用白線を地面に焼き付け、渋谷ヒカリエのデッキには力強い壁面アートを完成させました。

 同社は、精密部品加工の会社。「新しいものを生み出す刺激に」と、オブジェやポップアートなど数十点を社内に展示しています。看板代わりに目印になる絵をと、知人を介し淺井さんに依頼。約3週間の制作を経て、高さ約9㍍×幅約12㍍の壁画が昨年5月、完成しました。

 気になるモチーフについては、「『見る人にお任せします』とのこと」。今後、ほかの壁面も彩られる予定だそうです。

(ニュース和歌山/2024年4月6日更新)