《回答者》
◆総合診療科・外科
貴志川リハビリテーション病院
西村 和彦院長
真夏から残暑の時期に、高血圧対策の意外な落とし穴があります。
高血圧対策のポイントは「減塩」「運動」「睡眠」です。血圧とは、血液の流れが血管壁にかかる圧力で、この圧力が高い状態が高血圧です。体内の水分量が多すぎたり、血管の弾力が失われたりするとおこります。
高血圧の基準は「診察室血圧」で140/90 mm Hg 以上、「家庭血圧」で135/85 mm Hg 以上とされています。放置すると動脈硬化、心筋梗塞や脳卒中、腎機能障害を引き起こします。
本来、血圧は冬に高く、夏は低くなる傾向のため、高血圧の方にとって夏は好都合かもしれませんが油断は禁物です。夏は、熱中症予防のために経口補水液や塩あめを摂り過ぎ、塩分過量で逆に高血圧になってしまいます。大量に汗をかく場合以外は、塩分より水分補給を心がけましょう。一般的に推奨する水分補給量は2.5㍑/日です。
夏の減塩のポイントは、冷まして食べることで塩みを感じやすくする工夫や、昆布・鰹節・干しシイタケ・煮干しなど、だしによるうまみの活用が効果的です。高血圧対策には、有酸素運動や質の高いノンレム睡眠も有効です。成人では少なくとも1日6時間以上の睡眠をとり、血圧を安定させましょう。
(ニュース和歌山/2025年9月20日更新)


























