《回答者》
◆整形外科
貴志川リハビリテーション病院
手外科専門医・足の外科認定医
整形外科専門医
谷口 泰德 副院長
ジストニアは手に意図しない動きを発症する病気で、書痙とも呼ばれます。有名な作曲家のロベルト・シューマンも右手にジストニアの障害があり、ピアニストをやめて作曲家になりました。このジストニアの症状は手の筋肉の異常収縮、楽器演奏ができない、手がこわばって字がうまく書けない、仕事の細かい動作ができないです。音楽家のジストニアではバイオリン、ギター演奏ができない。アスリートではパターが打てない、投球ができないです。その他の職業では、美容師、歯科医師、時計修理士などにみられます。
原因は、脳内の神経に起きる変調にあります。職業性ジストニアは、同じ動作や姿勢を反復的かつ高頻度に長期間繰り返すことによって、脳の神経になんらかの影響が生じた結果として起きるといわれています。そのため、身体の一部を繊細に繰り返し使用する職業の人に多く発症します。
ジストニアの治療は内服治療、ボツリヌス注射、装具装着、リハビリが行われますが、改善は困難とされています。難しい動きはやめて、基本に帰って正しい運動を焦らずに繰り返して、再学習することが良いとされています。詳細は手外科専門医にご相談下さい。
(ニュース和歌山/2025年9月20日更新)


























