8月に愛知県で開かれた「とびうお杯第40回全国少年少女水泳競技大会」で和歌山県勢が躍進。パルポートワカヤマと同紀の川に通う選手が各種目で優勝を飾った。小学生のトップスイマーが一堂に会する由緒ある大会での快挙をバネに、早くも次の舞台を見据えている。
磨いたドルフィンキック
100㍍自由形、50㍍バタフライ 50㍍自由形で三冠
高松小6年 寺杣 優里さん
努力を自信に変え
トップ選手が集うとびうお杯で、100㍍自由形、50㍍バタフライ、50㍍自由形の3種目優勝を成し遂げ、三冠を達成した。なかでも100㍍自由形は1分00秒42で、34年ぶりに県学童記録を塗り替えた。
和歌山市湊御殿のパルポートワカヤマで水泳を始めたのは6歳のころ。小3からコーチについて練習に励んできた。得意は足の甲で水を蹴り、全身をうねらせながら進むドルフィンキック。「誰よりも早く浮き上がって1ストローク目に入り、差を付けられるように」と、大会直前まで何度も繰り返し、磨きをかけた。
とびうお杯の参加は、昨年に続き2度目。前回は予選を通過しただけの成績だったが、一年間積み重ねてきた努力を自信に変え、レースに臨んだ。
最初に出場したのは100㍍自由形。飛び込みから良いスタートを切り、最初は周囲に合わせつつ、ターンの5㍍手前から全力でキック、キック、キック。「絶対に勝ちたい」「抜かされたくない」と強い気持ちで泳ぎ、後半もペースを保ったまま、見事1位でゴールした。「一番取れたんだって、うれしくてホッとしました」。このあとの50㍍バタフライと50㍍自由形でも勝利をつかみ、3度表彰台に上った。
「私がいま水泳を頑張れているのは、仲間やコーチ、家族が応援して支えてくれているから。感謝しています」と想いを語る。夢は3年後、目標とする池江璃花子選手と一緒にロサンゼルスオリンピックに出場すること。「そのためには飛び込みも、ターンも、息継ぎも、もっと頑張って速くならないと」とにこやかに笑った。
4人でつないだ1着
女子4×50㍍フリーリレー制する
(右から)
藤戸台小6年 永井 心望さん
楠見東小6年 福岡 玲音さん
楠見東小6年 尾藤 結楽さん
中之島小6年 長尾 紗和さん
親友でライバル
「4人一緒に表彰台に立てたことがうれしかった。一番上から見る景色は違いました」。とびうお杯女子4×50㍍フリーリレーで、1分54秒65で優勝。晴れ舞台を思い返しながら笑顔を交わす。
和歌山市栄谷のパルポート紀の川に10年以上通う。チームを組んだのは大会1カ月前で、引き継ぎ練習を連日重点的に行った。反応の速さとタイミングに注力し、タッチと同時にスタートが切れるよう各自が工夫を重ね、意識に刻んだ。
リレーの予選を一位で通過。「優勝しよう」と思いを合わせ、決勝に向かった。トップは永井心望さん。実力派が揃う1泳のなかで、できるだけ順位を上げようと懸命に泳ぎ、3着でつないだ。2泳の福岡玲音さんは一つでも前へ出ようと猛ダッシュし、1人追い抜き2着に。3泳の尾藤結楽さんは「負けたくない」の一心で全力を尽くし、1着に追いついた。最後はアンカーの長尾紗和さん。50㍍を息継ぎ1回で泳ぎ切る体力とスピードをフルに発揮し、念願の優勝を決めた。その瞬間、皆で歓声を上げ、飛び跳ねてハイタッチ。喜びを爆発させた。
「心望はしっかりしていてチームをまとめてくれる」「玲音はみんなの中で一番ポジティブで、元気がもらえる」「結楽は負けない気持ちが強く、とくにレース後半が強い」「皆、息継ぎを減らそうと頑張っているのに、紗和は意識しなくてもできて才能がある」と互いの長所を褒め合う。
目標は来春のジュニアオリンピックでの優勝。「親友でありライバル」の4人の瞳は、次の表彰台を見つめている。
(ニュース和歌山/2025年10月4日更新)




























