《回答者》
◆整形外科
貴志川リハビリテーション病院
手外科専門医・足の外科認定医
整形外科専門医
谷口 泰德 副院長

　ばね指になると指の曲げ伸ばしでカクッと引っかかり、痛みが走ります。ステロイド注射をして治らない時や指が動かせず伸びない時は、手術が勧められます。手術は日帰りで行い、簡単で大変ではありません。手術では、指の付け根の部位に局所麻酔の注射をしてから、皮膚を1.5㎝ほど切開します。そして、ばね指の原因となっている肥厚した腱鞘を完全に切開します。熟練した手外科専門医でしたら手術は５〜６分で終了します。局所麻酔の注射は全ての人に効きますので、まったく痛みなく手術を受けられます。

　手術後は手に包帯を10日間ほど巻きますが、手指をゆっくり動かしてもらい、車の運転も可能です。術後すぐに指の引っかかりが取れて、ばね現象が無くなります。ばね指が治った後、もっと早く手術を受ければよかったと言われる患者さんもいます。確実に腱鞘切開が行われていれば、再発はありません。人の両手には10本の指があるため、１回手術を受けて治っても、その後他の指がばね指になり最終的に２〜３回追加手術を受ける患者さんもかなりおられます。ばね指になれば治療について早い段階で手外科専門医に相談しましょう。

（ニュース和歌山／2025年11月29日更新）