和歌山盲学校 全員が役割果たす
私たちの取り組みが、誰一人取り残さない社会の第一歩に──県立和歌山盲学校(和歌山市府中)が、ユニクロなどを展開するファーストリテイリング主催の2025年度「〝届けよう、服のチカラ〟プロジェクト」で優秀賞を受賞した。全国の参加769校から同校を含む6校が選出。2月12日㊍、東京の国立科学博物館で開かれた表彰式では高等部2年生の木下叶翔さんが活動内容を発表し、賞状を受け取った。
力合わせる体験
プロジェクトは、不要になった子ども服を回収し、国連難民高等弁務官事務所を通じて難民キャンプなどへ送る学習プログラム。13年から実施され、のべ4300校以上の協力で約638万着が海を渡った。
視覚に障害のある幼児から成人まで22人が学ぶ同校は、年齢も見え方も様々なため、一丸となって物事にあたる機会が少なかった。協力し合える場を模索していた長井恵李教諭はプロジェクトの存在を知り、「これならみんながそれぞれの役割で関われる」と直感。迷わず参加を決めた。
大切にしたのは「盲学校だからこそできる支援」だ。きっかけは生徒の「難民の中にも視覚障害の子はいるのだろうか」という純粋な疑問。同事務所に確認した結果、自分たちと同様、視覚に困難を抱える子どもがいると分かり、昨年7月、服だけに留まらない〝心を届ける取り組み〟をスタートさせた。
同じ境遇の仲間へ
寄宿舎生が作った回収ボックスは、車イスの人も使えるよう側面からも入れられる構造にした上、ボタンを押すと小学部制作のテーマソングが流れる仕掛けを施した。また、視覚障害者が触って色を識別する株式会社フクイの布製タグ「いろポチ」を取り付けたほか、香りの苦手な人に配慮して柔軟剤を使わずに洗濯。指先の感覚でシワを確認しながら丁寧にアイロンをかけた。さらに、ジーユー和歌山永穂店のスタッフから衣類のたたみ方を教わり、一着ずつ箱詰め。11月26日㊌、生徒や保護者、地域の人から提供された227着を発送した。これら独自の取り組みが高く評価され、受賞につながった。
表彰式のプレゼンテーションで自分たちの支援の意義を伝えた木下さん。「同じ境遇の仲間の力になれたことがうれしい」と語り、「見えにくさゆえに制限もあるけれど、今後もできることなら何でも挑戦したい」と前を向く。長井教諭も「皆の心が一つになった。小規模校の良さを活かし、全員で力を合わせた経験は生徒にとって大きな意味を持つと思う」と目を細める。
一連の活動が縁となり、同永穂店から継続的な協力の申し出があり、職場体験などが検討されている。特別支援学校と地域が結ぶ新たな共生の輪が広がっている。
(ニュース和歌山/2026年4月4日更新)



























