エヴァ・香陽さん オリエンタルダンス協会設立

161105_dance エジプト生まれのベリーダンスを現地で学んだ和歌山市のエヴァ・香陽さん(写真)が「和歌山オリエンタルダンス協会」を発足させ、アラブ文化の魅力発信に奮闘している。「日本では派手でセクシーなダンスと思われがちですが、エジプトでは人々の生活に根付いた伝統舞踊。誤解を解き、アラブ文化の素晴らしさを伝えたい」と笑顔を見せる。

 2001年に母を亡くし、ふさぎこんでいた時にベリーダンスに出合った。「踊る度に内側からエネルギーがあふれ、このために生まれてきた」と思えるほど魅了され、08年にエジプトへ。現地のプロダンサーに師事し、年に3、4回通い続けた。09年に自宅で教え始め、2年前にはエヴァ・オリエンタル・ダンス・スタジオを同市本町に設立。20~70代の女性に、本場仕込みの技を伝授する。

 ベリーダンスは五穀豊穣や安産を願う神事として生まれた。協会はこのダンスと、その背景にあるアラブの歴史や文化を和歌山から発信しようと今年9月、ダンサーや在日エジプト人らで立ち上げた。国内外のプロダンサーを招いた公演やワークショップを毎年開き、来年は踊りとアラブ音楽のステージ、エジプト料理や雑貨を楽しめるアラビアンフェスタの開催を構想する。「遠い異国の地と思われがちなアラブの音楽やダンスにふれ、和歌山の人にも身近に感じてほしい」

 来年4月2日(日)には、紀三井寺本堂での公演「夜桜に舞う」の開催が決まっている。「感情を表現するエジプトのベリーダンスは、喜びや幸せな気持ちが自然とわき上がり、女性の可能性を開かせる。本来の意味を伝えることで、日本での舞踊家の地位を高められるような社会づくりにつながってゆけば」と願っている。

 同協会(073・460・9019)。

(2016年11月5日号掲載)