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昭和初期、和歌山市東高松の車庫前に並んだ屋台がルーツと言われる和歌山ラーメン。地元では「中華」と呼ばれ、親しまれてきた庶民の味が1998年、テレビ番組を通じ全国区になった。今や名物となり、目当ての観光客も少なくない。 井出商店が優勝 90年代中ごろ、雑誌やテレビで、独自の進化を遂げた全国のご当地ラーメンを発掘するブームが起きた。札幌、博多に次いで、旭川や尾道などのラーメンが知られるようになり、和歌山ラーメンも注目され始めた。 個性豊かな名物 1998年10月〜99年5月、井出商店は新横浜ラーメン博物館に出店した。7ヵ月間の期間限定だったが、売り上げは過去最高を記録。わずか23席の店内で食べられたラーメンは21万2610杯、1日平均で893杯に上り、行列は57㍍に達した。同館の中野正博さん(40)は「繁盛店として認知されている歴代店舗の中でも類を見ず、この記録は前代未聞」と話す。 ◇ ◇ 「ニュース和歌山が伝えた半世紀」は毎週土曜号掲載です。 |
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※ニュース和歌山2014年8月30日号掲載
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半世紀No.35 〜 1998年(H10)関東でうける伝統の味 和歌山ラーメン 一躍全国区に
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和歌山ラーメン独特の個性にも注目が集まった。新横浜ラーメン博物館職員で市内の店を食べ歩いた武内伸さん(故人)は、和歌山ラーメンの特徴を調査。味は、屋台で作られていた醤油ベースの「車庫前系」と、井出商店を発祥とするとんこつ醤油ベースの「井出系」の2系統あることや、はや寿司やゆで卵がテーブルに置かれ、自己申告で会計するシステムも他県には見られない文化だと分析した。
井出商店を発端に、市内にある他の中華そば屋にもスポットが当たるようになった。大盛りのネギが特徴のまるイ(和歌山市中之島)の生島伸一店長(39)は「元々は地元の常連が中心でしたが、98年以降は県外からのお客さんが増えました。有名人も来るようになり、その翌日はファンの人がたくさん来ます」。


















