《回答者》
◆外 科
楽クリニック
藤田 定則院長

 足の血管がボコボコと膨らみコブ状に浮き出てくる病気を、下肢静脈瘤といいます。静脈血管内にある逆流防止弁が壊れ、血液が心臓にうまく戻ることができず逆流し、とどまることで血管が膨らみコブ状になります。

 診察前の問診では、コブが気になりだした時期やこむら返り、だるさ、かゆみなどの自覚症状に加え、生活習慣や過去の病気、身内に同じ症状の人がいないかなどを伺います。静脈瘤は遺伝的要因によっても発症率が高くなるからです。

 診察は視診(コブや色素沈着、潰瘍の確認)、触診(皮膚の状態確認)、超音波検査を行います。基本は立った状態で検査しますが、困難な方は座ったままでも可能です。超音波検査は、血液の流れの向きを色で表すカラードップラー法を用います。足にゼリーを塗り、プローブという器具を当てるだけの、痛みのない検査です。原因になることの多い足のつけ根(鼠径部)の血管までしっかり確認します。逆流の有無がその場でわかるので、診断や治療方法をすぐに提示できます。

 下肢静脈瘤は悪性の病気ではありませんが、自然には治りません。血管のコブが気になりだしたら、症状が進行する前に病院で診察を受けましょう。

(ニュース和歌山/2025年8月23日更新)