《回答者》
◆消化器外科・一般外科
福外科病院
日本大腸肛門病学会専門医
日本炎症性腸疾患学会連携専門医
福 昭人院長
クローン病は主に若年者にみられる原因不明の疾患です。大腸や小腸に慢性の炎症、潰瘍形成を引き起こし、下痢や直腸潰瘍により肛門周囲に波及してトンネル状の痔ろうを合併しやすく、複雑で治りにくいのが特徴です。一般の痔ろうとは病態が異なるため通常の術式では治療困難で、痛み、発熱、排膿を繰り返します。外科的治療はシートン法で、医療用の細いチューブを通して排膿を促し、自然閉鎖を待つ方法です。
内科的には過剰な免疫反応を抑制する薬を併用します。 最近では健常成人の皮下脂肪組織から分離した幹細胞を培養した再生医療製品が開発され、病変部への注射による免疫調整・抗炎症作用での治療も保険適用となりました。この治療は指定された肛門専門病院での予約治療となります。
クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患専門医については、日本炎症性腸疾患学会のHPをご参照ください。
(ニュース和歌山/2025年9月20日更新)



























