《回答者》
◆外 科
楽クリニック
藤田 定則院長
下肢静脈瘤は、足の静脈血管内の血液逆流防止弁が壊れて発症します。足の表面の血管がボコボコ浮き出て、だるさ、こむら返り、色素沈着、かゆみ、皮膚の硬化のほか、たまに痛みを訴えられる方がいます。
また、それが原因となり、血流が悪化し、まれに足表面の血管に血栓(血液の塊)ができることがあります。血栓が血管に詰まり、炎症を起こすことを「血栓性静脈炎」といいます。静脈とその周辺の皮膚が赤く腫れ、痛みを伴うのが主な症状です。痛みが小さな範囲に限定しているなら、炎症や痛みを抑える薬で経過観察します。重症化することは少ないですが、痛みが広がってくる場合もありますので、必ず医療機関を受診しましょう。
注意したいのが、足全体が急に腫れてくる「深部静脈血栓症」です。これは足表面ではなく、深部の静脈血管に血栓ができる病気です。片方の足だけにみられることが多く、もう片方の足と比べると大きく浮腫んだように腫れ、痛みを伴うことがあります。深部静脈血栓症は下肢静脈瘤がない人でも発症し、血栓が深部静脈内を流れ、肺に向かってしまうと、肺血栓塞栓症という命に係わる事態になるため、症状発生時には、ただちに治療が必要です。
(ニュース和歌山/2025年11月30日更新)


























