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 和歌山市雑賀崎の雑賀崎灯台で春と秋の彼岸恒例となった「夕日を見る会」。3月開催分から春のみ内容を一新し、今年は「雑賀崎岬めぐりウォーキング」と題して20日(日)に実施する。主催するトンガの鼻自然クラブの松川由喜子さんは「灯台だけではない、地域内の夕日が見えるポイントを知ってもらう機会に」と張り切っている。

 雑賀崎地区では彼岸の中日、沈む太陽から〝ハナが降る〟と言い伝えられている。今も残る夕日を見る風習を伝承していくため、1998年から灯台付近で夕日の写真展示、地区の名物草団子「おおやさ」や焼きさんま寿司の販売、ライブなどを開いてきた。秋はこの形態での催しを続けるが、春は夕日がきれいに楽しめる場所や地域の歴史遺産を知ってもらう企画に変更することにした。

 今回のウォーキングで回る岬は3ヵ所。江戸時代末期、紀州藩が外国船に備えて設けた海防施設の跡が残るトンガの鼻、同じく紀州藩が見張り所を置き、現在は番所庭園になっている番所の鼻、灯台がある鷹ノ巣で、和歌山城郭調査研究会顧問の水島大二さんから解説を聞きながら歩く。

 最後は好きな場所から夕日を眺めてもらう。海抜は番所の鼻が約15㍍、トンガの鼻が約30㍍、灯台が約60㍍。すぐ西に4つの島があるが、トンガの鼻からは1つ、番所庭園からは2つ、灯台からは3つに見える。「夕日が沈む位置も島の北や南と見る場所によって異なります。それぞれの岬からの景観を楽しんでもらいたい」と松川さん。

 希望者は当日午後2時までにトンガの鼻入り口集合。番所庭園入園料含め500円、小学生と幼児100円。雨天中止。

 なお、トンガの鼻へ続く里道沿いで2月28日(日)、3月12日(土)、4月16日(土)各日午前9時から、黄色い花を11月ごろに咲かせるツワブキの苗を植える作業を行う。無料。申し込み不要。

 同クラブ(073・447・0844)。

写真=トンガの鼻から番所の鼻、雑賀崎灯台を望む

(ニュース和歌山2016年2月27日号掲載)