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 紀の川市平野にある農産物直売所、ファーマーズマーケット紀ノ川ふうの丘に4月23日、多国籍料理が味わえるカフェ「ムリーノ」がオープンした。併設する障害者の就労支援事業所、ソーシャルファームもぎたてが運営。立畑千賀子マネジャーは「地元の野菜と果物をたっぷり使ったランチを提供します。事業所の加工場と連動し、障害のある方が活躍する場にしていきたい」と笑顔を見せる。

 同事業所は、2001年の直売所オープン当初から店頭にコロッケなど総菜を販売する店を出していた。農家の手伝いやジャム、ソースの加工品作りもしており、11年には加工場を開設。昨年4月に「ソーシャルファームもぎたて」を発足させ、現在は14人の障害者が働く。

 ムリーノは、同事業所の中原力哉代表が「障害者の雇用の機会を増やそう」と海南市でエスニック料理店を経営していた立畑さんとタッグを組んでオープンさせた。加工場で作ったピザ生地やソース、ジャムを使い、新たにカフェのスタッフとして4人を雇う。働き始めた橋本市の穴吹治彦さんは「接客業の経験を生かし、ひとつでも多く仕事を覚え、皆さんに知ってもらえる場所にしたい」と意気込む。中原さんは「だれもが仕事の喜びを感じ、地域が元気になってほしい」と話す。

 メニューは「野菜で旅するプレートランチ」をコンセプトに世界20ヵ国を旅した立畑さんが考案。地元のタケノコとエリンギのグリーンカレーや山菜の春巻き、桃とココナッツのアイスクリームなどを提供する。立畑さんは「果物畑に囲まれた丘陵地にあり、バリ島やイタリアの村を旅しているような非日常の気分が味わえます。ドライブがてら立ち寄って」と呼びかけている。

 午前10時半~午後5時。火曜休み。同店(0736・75・9077)。

写真=障害のある人が生き生き働ける場を目指す

(ニュース和歌山2015年5月2日号掲載)