2017020403_oteraoyatsu〝おてらおやつクラブ〟という活動をご存知? 寺へのお供えをおさがりとして、経済的に苦しい家庭の支援に役立てる取り組みで、1月末現在、全国540の寺に広がっている。そんな中、4つの寺にとどまっている和歌山県内で初めての説明会が2月20日(月)、和歌山市本町の善称寺で開かれる。活動に取り組む同寺の釋真宣(しゃく・しんせん)住職は「お寺や支援を希望する団体、支援したい方の交流の場になれば幸い」と願う。

 おてらおやつクラブは2013年秋、寺社の運営をサポートする一般社団法人「お寺の未来」が貧困問題の解決に貢献しようと始めた。一人親家庭を支援する全国の団体と協力し、寺に供えられた菓子や果物などをおすそ分けする。支援の輪は広まっており、取り組む寺は昨年1月の255から、現在は540と1年で2倍以上に増えた。

  和歌山県内で最も早く活動に加わったのが善称寺だ。2015年4月に始め、当初は母親と娘3人で暮らす大阪の家庭を支援していた。現在はこども食堂を運営する和歌山市の「子どもの生活支援ネットワーク こ・はうす」へ毎月送っている。

  段ボール箱に詰めるのは、仏様へお供えされた食べ物が中心だが、「『子どもたちにどうぞ』と鉛筆やノートの文房具を持ってきてくださることもあります」と釋住職。「どこのお寺も盆や彼岸、年末はお供えが重なります。そんな時期に年数回でもいいと思います。支援したいけれど、どうすればよいか分からないような一般の人も、気軽に協力してもらえれば」。

  説明会は午後2時から。奈良の善福寺住職で、おてらおやつクラブ事務局長の桂浄薫(じょうくん)さんが活動を紹介。無料。希望者は前日までに善称寺(073・422・0473、info@zensho-ji.com)。

 写真=「支援する側、望む人の交流に」と釋住職

 (ニュース和歌山より。2017年2月4日更新)