甲南女子大学文学部2年で、和歌山市出身の堀内八衣乃(やえの)さんが、12月20日に開催された「大学ビブリオバトル・オンライン大会」に出場。新型コロナウイルスが感染拡大する現在と似た世界が舞台のSFを紹介し、優勝を果たした。

 ビブリオバトルはおすすめの本の魅力をPRし、観客の投票数で競う大会。桐蔭高校1年から出場している堀内さんは、2年の時に関西大会で準優勝し、全国大会を経験している。

 今回は、新型コロナウイルスの影響で中止となった全国大学ビブリオバトル京都決戦の代替イベントとしてオンラインで開かれ、予選は501人が参加した。

 堀内さんが紹介したのは伊藤計劃(けいかく)のSF『ハーモニー』。未知のウイルスがまん延し、大混乱に陥った後、健康であることが義務化され、病気がなくなった世界を描いている。

 本の魅力を伝えるビブリオバトルで、あえて「前半は読みづらい」と説明した。「リスクはありましたが、面白くないからと途中で読むのをやめるのはもったいない作品なので」と正直に紹介。さらに「後半になると一気に現代社会に通ずる深い話になり、のめり込んでしまいます」と没入感をアピールした。

 取り上げたい本はまだまだあり、「好きなのはファンタジー。次はこのジャンルで大会初の2連覇を狙います」と意気込んでいる。

(ニュース和歌山/2021年1月16日更新)