和歌山出身の偉人・賢人について研究する「陸奥宗光外務大臣」の功績を教育に活かす実行委は5月16日、和歌山市和田の竈山神社で15年前、海南市出身の元陸軍少尉、小野田寛郎さんが植樹を行った記念の石碑を建てた。

 太平洋戦争後もフィリピンのルバング島に29年間潜伏していた小野田さん。帰国後、日本とブラジルで生活しながら、ジャングルで暮らした経験から、子どもたちに野外生活を通しての教育活動を行った。2006年5月、故郷の和歌山県で初めて講演した後、同神社にウバメガシを植えた。

 当時、植樹を依頼したのが、現在、同実行委副会長を務める臼井康浩さん。「竈山神社に祀られている彦五瀬命(ひこいつせのみこと)は、国の発展に尽力した。青少年育成に取り組んでいた小野田さんと、日本の未来のために力を尽くしたところが似ていると感じ、お願いしました」と振り返る。

 いたずらされるのを避けるため植樹をしたことは公表していなかったが、15周年を記念して石碑を設置した。竈山神社の吉良義章宮司は「これから成長していく子どもたちには、15年かけてぐんぐん大きくなったこの木のように、元気に真っ直ぐ育ってほしい」と願っていた。

写真=植樹した木の前で除幕式を行った

(ニュース和歌山/2021年5月22日更新)