創作民話風の絵本『クマのろくた』を和歌山市中之島の作家、太田甲子太郎(かしたろう)さんがみらいパブリッシングから出版した。

 太田さんは『紀州に伝わる民話』シリーズや児童書『ちょんまげ絵くらべホーホケキョ』などを著書に持つ。絵本は今作が初めて。

 江戸時代、猟師の与重は親からはぐれた子グマを拾い、ろくたと名付けて育てた。成長したろくたを山へ返した数ヵ月後、人を襲うクマが村に現れる。ろくたは人を襲ったりしないと信じる与重だが、村の長に処分を命じられ──。

 9月に発売し、10月には母校の中之島小学校とNPO法人和歌山こどもの広場へ寄贈した。太田さんは「分かり合えない人間と動物の不条理を描きました。悲しいけれど、涙を誘う感動の物語になっていると思います」と胸を張る。

 A5判横、32㌻。1430円。ぶらくり丁の番茶屋、アマゾンほかで販売。

(ニュース和歌山/2021年11月27日更新)