和歌山県内初導入で注目集める
和歌山市中の洋菓子店プチ・タ・プチは5月から、新商品「バウムクーヘン 幸」(写真下)の販売を開始。職人ではなく、専用のAIを搭載したオーブンで作っていることで話題を集めている。
同店は2003年、オーナーでパティシエールの宮本友理子さんがケーキ教室と材料の販売店として開業。以降、焼菓子とカフェ、ケーキ店と業態を変えながら、地域に根ざしてきた。
材料を仕入れている卸業者から、兵庫県の洋菓子メーカー、ユーハイムが開発した「バウムクーヘンAI職人 THEO(テオ)」を紹介された。宮本さんは「バウムクーヘンは手間がかかるので作っていませんでしたが、試食した際、焼き加減や味が職人の焼いたものと遜色なくて驚き、導入を決めました」とふり返る。
通常、バウムクーヘンは専用オーブンを使って作る。卵や小麦粉などを混ぜた液体を、芯となる棒にまとわせ、火にかける。職人がころ合いを見て取り出し、また液をかけて焼く。これを何度も繰り返して完成させるため、一度作り始めるとつきっきりになってしまう。「最近は販売する店や、職人が減ってきているそうです」。
しかし同機は、液体をトレーに入れてセットするだけ。芯が自動で下ろされ、まんべんなくついたらオーブンが点火。焼き色をカメラが判断し、タイミングを見てさらに生地をつけていく。焼き上がるのは1本につき約20分で、その間、手はかからない。
現在は毎週火曜に稼働させており、商品棚の側に設置しているため、作業の様子を見ることができる。宮本さんは「焼きたてのいい香りを楽しんでもらうために、厨房ではなく店内に置きました。夏休み期間に見学と試食会を検討中です」と話している。
1カット216円。1ホール1728円。同店(073・455・4958)。
(ニュース和歌山/2025年6月14日更新)