全校児童17人が校歌合唱
海南エリアの活性化を目指す「まちの調査団実行委員会(田村まさみ代表)」が、短編映画『ブランコの約束(仮)』の制作に取り組んでいる。7月8日には、来年3月閉校する海南市次ヶ谷の南野上小学校で、全校児童17人が校歌を合唱するシーンが撮影された。
映画は同会が、関西で活動する「劇ファクトリーaon座」の協力を得て企画した。主人公は海南出身で、東京に暮らす女性。母校の閉校を知って帰郷し、懐かしい人たちと再会する中で、自分がこれから進む道について改めて思いを巡らせるという、地元愛が伝わるヒューマンドラマだ。
同校にロケの申し入れがあったのは今年の春。山中和也校長は、「学校や児童たちが映像として残ることに意義を感じ、快諾しました」と振り返る。さらに、「この学校が原点だと感じる児童もいると思う。脚本を読んで、子どもたちが成長していく姿と登場人物が重なりました」と明かす。
撮影当日は、紀の川市出身の坂口勝紀監督を始め、スタッフ約20人が音楽室に集合。本格的なカメラやマイクを前に、児童たちは緊張の面持ちだったが、坂口監督らがユーモアを交えて自己紹介したり、「みんな最高!」と明るく呼びかけると次第にリラックスした雰囲気に。ピアノの音に乗せて元気いっぱい歌声を合わせた。主人公が子ども時代を回想する場面で使われる。
いずれも6年の河本莉乃さんは「ドキドキしたけれど楽しかった」、女優に憧れる浦野楓さんは「映画に出る夢がかなってうれしい」とにっこり。庵野心音さんは、学校の好きなところを「人数が少ない分、仲がいい」と語った。
撮影を終えた坂口監督は「子どもたちの団結力が伝わってきました」と満面の笑顔。「南野上では、人と人とのつながりや温かさといった、かけがえのないものを得ました」と地域のふれあいに感動した様子だった。
8月にも同校で撮影予定。2026年きみの海南映画祭で初上映後、全国の映画祭に出展する。詳しくはインスタグラム「@buranko_yakusoku」。
(ニュース和歌山/2025年7月26日更新)


























