地元企業の社員にマッサージ
和歌山市府中の県立和歌山盲学校高等部理療科に通う生徒4人が10月16日㊍、同市中之島の紀陽情報システム株式会社で校外臨床実習を行った。
あん摩マッサージ指圧師やはり師、きゅう師の資格取得に向け、専門的な学習に取り組んでいる同科。普段の実習は校内で近隣住民を対象に行っているが、初対面の人と適切にコミュニケーションを取りながら身体状況を把握し、施術に活かす能力を高めるため、同社の協力を得て実現した。
施術は1人15分ずつ。年齢や生活習慣などを確認した上で肩や背中、首などを丁寧にもんでいった。長年コリに悩まされてきたという同社の田上裕之さん(61)は、「ツボに的確に入って、とても気持ちよかった。この後も仕事を頑張れます」と満足そうにほほえんだ。
生徒の谷口和義さん(52)は、「最近はスマートフォンを使用するせいで首や肩のコリを訴える人が増えたように思う。校外臨床実習はさまざまな患者さんを見る経験を積むことができ、よかった」と振り返った。
同校の岡本美智子教諭は「単に技術だけでなく、生徒の社会性を向上させるいい機会になりました。地元企業に出向くことで全盲や弱視などの生徒がいることを知ってもらい、また彼らが卒業後、地域とのつながりをもてるきっかけとなればうれしい」と語っていた。
写真=施術をする和歌山盲学校高等部理療科の生徒(右から2人目)。日常生活でのストレッチもアドバイスした
(ニュース和歌山/2025年11月29日更新)


























