ふるさと教育で街に誇り

 岩出市根来の根来小学校で12月9日㊋と10日㊌、ふるさと教育の一環として4年生56人が根来塗を体験した。

 「地元に生まれ育った子どもたちに、根来の歴史を受け継いでいってもらいたい」と願う同校の庄司清弥校長が、根來塗師の伊藤惠さんに依頼。「AIが主流の現代社会だからこそ、伝統工芸の価値を子どもたちに伝えることはとても重要。街に誇りを感じるきっかけになれば」と伊藤さんが快諾し、実現した。

 この日は〝根来塗Q&A〟からスタート。「工程によって木地師さんなど別々の人が担当するのですか」との質問に、伊藤さんは「本来はそれぞれの職人さんがするのですが、やる人が少なくなってきたので、いまは自分でしたり一部を県外の人に頼んだりしています」と後継者不足の現状を伝えた。

 続いて、あらかじめ漆を塗って乾燥させた木製のスプーンが配られた。装飾技法「螺鈿(らでん)」に使う貝やビーズには多くの児童が目を輝かせ、そっと指先に乗せながらお気に入りを選んだ。彩色するのは柄の部分。アクリル絵の具を筆に取り、少しずつ慎重に色を乗せていった。海や空、川などの自然のほか、ファンのVチューバーの名前にちなんで星を描いたり、色合わせでいちごジャムを表現したりする児童もいた。

 クリスマスツリーをイメージした揖千紘さんは「ごちそうを食べるときに使いたい」と笑顔。山口優悟さんは「塗るのが難しかったけれど、貴重な経験ができてよかった」と振り返った。川口茅奈さんは作品に手を添えて「洗ったりするとせっかくの絵が取れそうなので、家に飾ります」と話した。

(ニュース和歌山/2026年2月7日更新)