86校で提供 収穫祭も

 県産小麦を給食のパンにと海南市高津で活動する「給食スマイルプロジェクト〜県産小麦そだて隊!」。昨年末から栽培してきた小麦を材料にしたパンが11月18日〜12月22日、和歌山市や海南市など86の小中学校で提供されている。メンバーの満留澄子さんは「子どもたちに思いが伝わったからか、食べ残しが減ったとの声をいただきました」と声を弾ませる。

 県内は小麦農家が少なく、国内産は価格が高いことから、小中学校の給食パンには輸入小麦が使われている。昨年、子を持つ親らがプロジェクトを立ち上げ、和歌山市の小麦農家に教わりながら栽培してきた。活動に賛同する他の農家らが育てたものも合わせ、収穫した353㌔を県学校給食会へ販売。給食に出される日にメンバーが学校を訪れ、栽培への思いを説明した。栄養士が給食だよりで県産小麦や地産地消について伝える学校もあった。

 11月21日には活動拠点近くの北野上小学校(同市孟子)で収穫祭を行い、85人が参加した。県産小麦で試作したコッペパンやマフィンを受け取った子どもたちは「おいしい!」とほおをゆるませていた。また、1年目の活動をまとめた資料を展示し、麦わらを使ったミニかかし作りのワークショップを行った。

 満留さんは「収穫量を増やすには、栽培ルールや販売価格、補助金の申請など道すじを作り、県内の農家が参入しやすくすることが必要です。皆がスマイルになれる持続可能な形を目指したい」と決意を新たにしている。

 12月11日㊏午前9時、海南市高津の畑で行う種まきの参加者を募集中。無料。詳細は同プロジェクトフェイスブックインスタグラムで。同プロジェクト(kyusyoku.smileproject@gmail.com)。

写真=県産小麦で作ったパンを食べる児童

(ニュース和歌山/2021年12月4日更新)