《回答者》
◆消化器外科・一般外科

福外科病院

消化器外科専門医大腸肛門病専門医 消化器病専門医

福 昭人院長

 
 
 
 
 大腸検査で一般的なのが大腸内視鏡検査や注腸検査です。しかし、これらは事前に多量の下剤を服用しなければならず、「つらい」と話す方が多いです。また、病気や癒着によってすでに大腸が細くなっていると、内視鏡が通過しにくくなる等の困難例も見られます。

 そこで最近、「第3の選択肢」として登場したのが、仮想大腸内視鏡検査と仮想注腸検査です。これは、新型のマルチスライスCTを利用した大腸の新しい検査法で、人工知能を備えたCTにより、あたかも大腸を内視鏡で観察したり、レントゲンで撮影したかのように調べることができます。大腸CT検査は高精度で、しかも大腸内視鏡検査や注腸検査と比較すると楽に短時間で検査できるため、とくに高齢者に有用です。ただし、どのCTでも行えるわけではなく、特定の機能を搭載したCTに限定されます。

 なお、大腸CT検査も前処置は必要です。事前に大腸肛門病や消化器病専門医の診察を受けることが欠かせません。 
 
 
 
 
 
(ニュース和歌山2020年6月27日号掲載)