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 昨年、一昨年の県大会で2連覇。和歌山県立こころの医療センターの利用者で、統合失調症などの精神疾患があるメンバーで構成する。キャプテンの志野正浩選手は「トスを1つあげるのにも、受ける相手を特に意識して練習しています。コミュニケーションを大切にして、心一つにまずは1勝を目指します」と意気込んでいる。

 10代〜50代の約10人が所属。15年前の結成当初は県大会で勝つことも難しかったが、2007年に準優勝した。江川俊和選手が「決勝で負けたのが悔しかった。メンバーに火がついて、練習に取り組む姿勢が変わりました」と振り返るように、08年以降は5度優勝を経験した。チーム最長身の182㌢でエースの山田昌利選手は「勝つごとに練習に熱が入り、練習での工夫も生まれました」。

 力のある球や変化球など多彩なサーブが持ち味。課題はプレッシャーの克服で、同センター職員の白石裕也コーチは「障害のためストレスやプレッシャーにあまり強くない。気持ちの立て直しには、声のかけ合いが特に重要です」。志野キャプテンは「緊張したり、試合の流れが悪くなったりすると、気持ちの面でも負けモードになってしまいます。チームワークで乗り越えたい」と話す。

 近畿大会では負けが続いていたが、6月の大会で初めて奈良に2―0で勝利した。白石コーチは「全国大会に向け自信になった。練習でも声が大きくなり、モチベーションが上がっている。格上相手に気持ちの面で立ち向かえるよう、メンタル面の強化を図りたい」と勝利を目指している。

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 全国障害者スポーツ大会「紀の国わかやま大会」(10月24日〜10月26日)に出場する県出身の選手やチームを毎週土曜号で紹介します。

(ニュース和歌山2015年7月11日号掲載)