「今日はこのあめちゃんにする」「おっちゃん、かき氷作って」。おこづかいを握りしめた近所の子どもたちがワイワイ集まり、おやつを選ぶ。そんな昔懐かしい光景が連日、繰り広げられているのは、5月にオープンした和歌山市新中島の駄菓子屋こまつです。オーナーはなんと地元の歯医者さん。和歌山こまつ歯科院長の小松誉和さん(37、右から2人目)に聞きました。

レトロな店先

─たくさんの菓子が並びます。

 「かわら屋根の平屋、縁側を店先に、糸引きあめ、きなこ棒、ポン菓子、ぐるぐるゼリーといった定番50種類以上がズラリ。えびせんに目玉焼きをはさむ『たません』、かき氷もあります。くじは何度もチャレンジする子がいるほど人気。スーパーボールやトカゲのおもちゃなど、何が当たるか分からないワクワク感が新鮮なようです」

──どんなお客さんが?

 「平日夕方は近所の小学生や中高大学生、土日は親子連れで店先が埋まるほど。皆、楽しそうに計算しながら選んでいます。『写真を撮らせて』『懐かしい』と年配の人が見えるほか、きなこ棒を箱買いする大人、高齢者施設からは『団体で行きたい』との問い合わせがあります」

──どこか懐かしい雰囲気ですね。

 「元々、スタッフの休み場所にと購入していた医院近くの平屋を改修しました。昭和40年代の店がイメージで、店先に設置した子ども用の机やベンチ、バス停型の看板は皆で手作りしたもの。普段は医療スタッフが交代で店番し、僕も月に数日入ってやきそばを作ります。僕たちにとっても息抜きになっていて、うち60代の一人は『これがしたかった!』と週4で店に立つほど大ハマり。生き生きした姿に、元気をもらっています」

子どものご褒美

──なぜ駄菓子屋を?

 「一番の理由は僕がお祭り好きだから(笑)。毎年5月に医院の駐車場でこどもまつりを開いており、5年目の今年、出し物の一つに、平屋へ駄菓子を置こうとの案があり、せっかくなので店にしました。歯の治療を頑張った子どもたちへのご褒美にと、ガチャガチャのおもちゃや貴志川町で捕まえたカブトムシを配っていましたが、今は駄菓子屋で使えるくじの券の方が人気です。また、歯医者の先生より、『駄菓子屋のおっちゃん』の方が怖がられないかなとの期待も…」

──今後は?

 「飲食や宿題をしたり、親が仕事で家にいない子が時間をつぶしたりできるよう、奥の部屋を改修する予定です。『学校つまんない』といった悩みでもいいので、話しに来てほしいですね。大人も仕事を忘れてゆっくりし、ここで顔見知りになって、道で会った時にあいさつする関係が生まれたら。この先、やって来る子どもたちの顔ぶれが変わっていっても見守れるよう、続けていきます」

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◎和歌山市新中島77─3。㊊~㊎は午後3時~5時半、㊏㊐は午前10時~午後6時半。同歯科(073・488・8637)。

(ニュース和歌山/2022年9月17日更新)